都会の生活が合わず自然に憧れ農業の道へ
東京都出身の持田さんは、都会暮らしに生き苦しさを感じる日々を送っていた。自然の中で暮らし、農業を学ぶために、北海道にある東京農業大学へ入学した。夏休みに八王子にある有機農家を訪ねたときに、人生観が覆る経験をした。そこでは子どもたちが畑の周りを裸足で走り回ったり、障がいをもつ人が自分のペースで作業をしていたり、農業を通じてゆったりとした時間が広がっていたのだった。自分にとっても心地よい空間であった。
次第に「皆が心地よく生活できる居場所づくり」が持田さんのやりたいことになっていた。
地域の中で循環できる
有機農業の地を求めて
移住先として有機農業ができること、そしてこれまで暮らしたことがある島根県がいいと決めていた。大学院時代の後輩や知人を頼って、有機農業ができる場所を探した。松江市、出雲市、奥出雲町などを見て歩き、最後に町をあげて有機農業を行っている柿木村(現在の吉賀町)を訪れた。町の雰囲気、空気感。「ここだ!」と直感で気に入った。
一人で生きてはいない
町は大きな家族
「人生で初めて寂しいと思わない暮らしができています」と話す持田さん。一人暮らしをしているときは、近所の人がおかずを持ってきてくれた。散歩をしていると、家に帰るころには両手いっぱいの野菜をいただくことも。そして同じ移住者のご主人と結婚し、子どもにも恵まれた。家族で古民家に住みたくて2年かけて大改修。今は柿木農産加工場で地域の人と加工品をつくりながら、子どもたちや仲の良い家族と一緒に、川や田んぼでゆったりと遊ぶ活動をしている。夢であった「居場所づくり」を始めたところだ。
半農半X(兼業就農)
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島根県 半農半X
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