四方八方、海に囲まれた隠岐の島へ嫁に来たIターン子さん。
島独特の風習がある中で暮らすIターン子さんの様子をのぞいてみましょう。
本膳のしきたり
隠岐の海士町へ嫁に来て、知らなかったがゆえの赤っ恥体験をお話しします。
海士町は宴会や祭りなど、皆でワイワイ食事をする機会が多くあります。宴席では一人ずつ膳があり、刺身や天ぷらといった海の幸のおかずが順番に出されます。お酒も入り、楽しい時間が過ぎ、宴もたけなわになった時のことです。最後の締めに「白ご飯+お味噌汁=本膳」が出ます。私が、普通にパクパク食べていたら「あんたまだ食べたらいけんよ」と、皆が笑うのです。『ええ? どういうこと?』と思っていると、本膳が出たときは会の主催者が「本膳をどうぞ」と言うまでは、絶対に口に運んではいけないという風習があったのです! 知らなかったとはいえ、恥ずかしさで穴にでも入りたい気持ちになったのは言うまでもありません。