小林星登さん

千葉(魚師)→ 松江市(魚師)【移住1年目】

夢を叶えるために島根へ移住

夢を叶えるために島根へ移住

大学の講義で第一次産業の大切さを学び、同時に担い手不足の現実を知った小林星登さんは、卒業を待たず、千葉県でまき網漁船の漁師となった。築地市場が近いため給与も良かったが、中型漁船での仕事は〝漁師〟ではなく〝労働者〟の一人。「自分の船を持ち漁に出ること」が夢だった小林さんは、漁をしながら副業ができる場所を探し求めた。  
 「はえ縄漁や素潜り漁などの副業ができるところを探しました。その条件に合ったのが松江市で行っている定置網漁でした」と 話す小林さん。早速、島根へ行き、定住財団に相談したところ、松江市の職員と漁港を巡ることができた。結果、笠浦大敷網漁業㈱で産業体験事業を活用し、仕事をすることとなった。  

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島根半島にある美保関町笠浦の海。明け方、漁を終え港に戻る漁船。

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漁が終わったら素潜り漁を。海には大きなアワビやサザエがごろごろ。

ご近所付き合いは田舎暮らしの醍醐味

ご近所付き合いは田舎暮らしの醍醐味

住むなら市街地ではなく漁村に、と決めていた通り、現在は笠浦の小さな漁村で暮らし、まだ暗いうちに漁へ出航。夜明けとともに港へ戻り魚の水揚げを行う。昼に仕事を終え午後からは、素潜りでアワビやサザエを採り、生計の足しにしている。  
 「千葉で6年間、漁業に携わっていたので仕事に関して困ったことはありませんが、一番戸惑ったのは時化の判断基準でした。やはり太平洋と日本海の波は違いますね。ここでは少々の荒波でも出航するので、はじめは驚きました」と小林さんは話す。  
 移住して約1年。地元の人から畑を借りて作った野菜や、新鮮な魚介類を食べるようになって、より健康になった。また祭りや消防団に参加するなど、都会にはない地域活動にも参加している。住まいや働き方の希望を叶え、奥さんの香織さんと暮らしを楽しみながら、自営漁業者としての起業を目指している。

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近所の船越家で、いつもお茶のおよばれを。家族のような付き合い。

1.自らコミュニケーションを

地域の行事や清掃等に夫婦で参加するようにしています。誘われたら、とにかく首を縦にふることにしています。

2.贈りものの文化

「おすそわけ」が日常にあるものの「当たり前」と思わず、必ずお返しをするようにしています。

3.近所付き合いは大切

田舎は助け合いが必須で、繋がりが濃い。お茶を飲みに行くことも繋がりづくりの一つです。

プロフィール

小林星登さんの Profile

千葉県出身。神奈川県の大学を中途退学し、漁師となる。千葉で6年間、まき網漁を行い、昨年、島根県松江市にIターン。定置網漁をしながら素潜り漁などの副業もこなす。