地元の原料にこだわり
若い力でチャレンジし続ける
奥出雲町と言えば島根県の米処、「仁多米」ブランドで知られている地域。酒米も多く生産され酒蔵も多数あったが、酒の趣向の変動により廃業に追い込まれた。そこで奥出雲町が平成16年に酒蔵を買い取り「奥出雲酒造」が誕生した。
「私は平成21年にここに来ましたが、当時は次の一手が出ない状況。そこでコンセプトを一新したのです」と営業次長の寺戸さんは話す。それは「地酒」ということを念頭に置き、全て地元の米と水で造るということだった。また酒米が足りないときは飯米の「仁多米」でも酒造りをはじめるなど売り上げは上向いた。
「Uターンの小村さんは作業じゃなく『仕事』をこなす、責任感がある人物です。製造課長の森井杜氏の右腕ですね」と寺戸さん。現在、寺戸さんと杜氏、蔵人たちとで、奥出雲の酒造りを仕掛けているところである。
奥出雲の自然の中で
醸造のおもしろさを実感
「今思えば料理人と蔵人をしていた祖父の血ですかね」とほほ笑むのは、5年前にUターンしてきた小村浩司さん。東京農業大学醸造学科へ入学した頃は酒に興味がながったが、味噌を造ったときに「醸造」の面白さを知ったと言う。卒業後、大学の先輩が勤める奥出雲酒造に就職が決まった。
小村さんが入社してから甘酒やどぶろくなど夏場の醸造もはじまり、毎年、数量が倍増する勢いで稼働。5年間で酒の出荷も小村さんの力量もうなぎ上り。 「島根県は歴史ある酒蔵が多い中、うちは新しい酒蔵です。しかし、いろいろなことに挑戦できることが強みです!」と小村さん。 清酒や甘酒、焼酎、リキュールなども手掛けている。
平成28年の全米日本酒歓評会の大吟醸A部門で「奥出雲純米大吟醸」が金賞を、また秋に行われた広島国税局清酒鑑評会では3部門で優等賞を取る快挙を成し遂げる。地元の原料だけでできた酒が評価を得られたことを誇りに、杜氏を目指して邁進中だ。
小村 浩司さんの Profile
出雲市平田町の出身。松江農林高校卒業後、東京農業大学醸造学科へ。卒業後、奥出雲町にある奥出雲酒造へ入社。清酒、甘酒、どぶろくなどの製造、製品管理などを行う。
タイムスケジュール
6:30 起床・朝食
▼7:00 出社
▼8:00 仕事開始
▼17:00 帰宅。 夕ご飯をつくって食べる。
私のプライベートタイム
企業からみた島根の「イイね!」
山に囲まれ、米も水も豊かで原料がふんだんにある。何もない地域だが冬には雪が降り、それを連想するだけで酒が旨く感じられる。もちろん酒造りも適した場所で、田舎ならではの産業。これからは夏場にもっと酒造りができるよう環境を整え、どぶろくや甘酒も増量していきたい。
奥出雲酒造株式会社
島根県仁多郡奥出雲町亀嵩1380-1 TEL.0854-57-0888
小村さんが暮らす奥出雲町
鳥取、広島の県境。中国山脈のふもと。古事記や日本書紀の舞台となった山間の小さな町。島根県奥出雲町。西日本を代表するブランド米「仁多米」やおいしい水で育まれた、これまた美味しい蕎麦と野菜。美肌の温泉、季節に染まる豊かな自然。奥出雲の魅力はたくさんあるけれど、いちばんの魅力は人と人が支え合う「あたたかさ」と挑戦する「力強さ」。都会のような便利さはないけれど、「ないなら、つくろう」と仲間とともに始める人が増え、近年では地元建材のアウトドアブランド、コワーキングスペースの運営、民営図書館、森のようちえん・おさんぽ会など、この地域とともに歩く働き方・暮らし方がスタートしています。
【奥出雲暮らし入門】
1泊2日から可能なオーダーメイド型プログラム「奥出雲暮らし入門」は、一人ひとりの要望をお聞きし、オリジナルの体験ツアーをご提案。農業体験、空き家見学、先輩UIターン者の声を聞くなど、やってみたいこと、知りたいことについてお一人様から随時対応。※宿泊費・体験料が無料(上限あり)定住コーディネーターが現地見学をフルサポート。
【空き家バンク制度】
奥出雲町内にある空き家を町が紹介をする制度「空き家バンク」。専門の定住コーディネーターが空き家物件に関する相談を受け、現地を案内しながら、それぞれの暮らしにあった物件をマッチング。また、専門知識を持った不動産業者が、契約などの取引もサポートします。空き家バンク制度を利用して交渉が成立した方に対し、修繕に必要な費用の一部を補助します。(修繕に要する費用1/2以下。上限100万円)。また、残存する家財道具の処分や清掃等を行う場合、経費の一部を補助します。(上限5万円)
定住支援サイト
奥出雲の今をマガジンで配信。新しいWEBサイト「DEEP TOWN OKUIZUMO」が始まります。奥出雲に住む私たちと全国の奥出雲ファンでつくるWEBマガジン「DEEPマガジン」の県外からもディープタウンライター募集中!
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奥出雲町役場 定住コーディネーターの皆さん