産業体験事業等を通じ、農林水産業や伝統工芸、介護職などに従事しているUIターン参加者は、主催のふるさと島根定住財団のスタッフと共にフェリーに揺られながら海士町へやってきました。
初日のメインイベントは海士町で始まる「離島キッチン海士」の島食体験。元公邸料理人佐藤岳央シェフによる海士町の食材を使った料理や盛り付けに皆が感嘆の声。地元の産物を活用した取り組みは、特に生産者の立場にある参加者には目を見張るものがありました。
2日目は意見交換会を行いました。はじめに北海道から海士町へIターンしてきたマリンポートホテル海士の代表取締役社長の青山敦士さんの挑戦事例を聞き「人とのつながり」の大切さを学びました。その後グループに分かれて「自立・挑戦・交流」をテーマに話し合いが行われ会場内は白熱!
有意義な時間を過ごした参加者は意気投合し、良い笑顔で帰路につきました。
社会福祉法人ウェルNC
介護士 内田正宏さん
(東京都からUターンして3年
)
大学の時に上京し、そのまま13年間サービス業で働いていました。しかし先行きが見えない生活に不安を覚え、地元の大田市に帰ることにしました。そして近所にある福祉施設に産業体験事業で1年体験し、そのまま就職しました。
今回、海士町で開催された定住塾への参加は3回目です。毎回、Iターン者の「島根に来たきっかけ」が気になり参加しています。皆さんから「自然もあり食べものもおいしく、人が優しい」という話を聞くと、今まで知らなかった「島根のイイね」を探してみたくなります。Iターンの人と話をすると新しい発見や経験ができますし、定住塾で出会ったメンバーとはSNSでつながっています。
柿農家 柿壺
代表 小松正嗣さん
(兵庫県からIターンして6年
)
もともと島根大学入学のため島根へ来ました。卒業後、音楽活動をしていましたが地元に戻りIT企業に就職。しかし東日本大震災をきっかけに「生きる力」を身に付けたいと思い農業の道に入りました。今は柿の産地・出雲市平田町で柿農家をしています。地元の人から柿園を引き継ぎ農地を増やしつつ、4年になりました。昔のミュージシャン仲間が働いてくれたり、収穫期には手伝ってくれています。自分は運よくここまできましたが、地域とつながりがないIターン者の就農は難しい面も。最初は雇用され就農するのも手だと思います。
最近は出雲地区の若手農家と地元企業とで連携して出雲の産物をブランド化しようと「出雲野菜株式会社」を立ち上げました。