やっぱり気になる生活費!食費や物価はどれくらい?
UIターン者から聞いた田舎暮らしのリアルな声。移住前後のギャップで分かる島根の物価事情を探ってみましょう!
田舎暮らしをイメージするときに、豊かな自然や新鮮で美味しい食べもの、都会とは違う子育て環境を期待する人も多いはず。今回、島根にUIターンした258人のアンケート結果から、気になる島根の物価事情に注目してみました!
満足感が高い一方で…
実際に移住したUIターン者によると、都会にはない自然に恵まれた生活に満足しているという声が多くありました。さらに、野菜や魚などの食べものについては、想像していたよりも新鮮で美味しいと感じているようです。
一方でアンケート結果を見ると、田舎暮らしは食費など生活コストが都会よりも安くなるとイメージしていた人も多いですが、実際に移住してみると、「期待していたほど、物価は安くない」とギャップを感じているようです〔図1〕〔図2〕。
本当に物価は都会と変わらないのか?
一見、価格だけを比較してしまいがちですが、島根には地産の野菜や魚、鮮度や栽培方法など品質にこだわった商品が数多くあります。そんな商品を取り扱う産直市場やスーパーの産直コーナーも県内各地にあります。生産者の顔が見える、安心安全、美味しい食材が身近に手に入ることも、田舎暮らしの魅力の一つと言えるでしょう。
実際どんな商品がお店に並んでいるか確かめてみましょう! 今回は出雲市のスーパーマーケット「グッディー」と浜田市の鮮魚店「お魚のなかだ」に、島根の生産物や価格などを伺いました。
グッディー医大通店(出雲市)
生産者の顔が見える 野菜売り場
※2017年12月の時価です。
「グッディー」は出雲市や大田市などで7店舗を展開するスーパーマーケット。安心・安全・清潔・鮮度・品質をコンセプトに、化学肥料等を使用しない有機JASや、島根県推奨のエコロジー農産物を扱っている。
また生産者の顔と名前が分かるようにポップをつくり、お客様が安心して手にとってもらえる工夫もしている。「県内36軒の農家さんと契約して農産物を仕入れています。自ら畑へ赴き、栽培の様子を見て、農家さんと話をしています。しっかり契約を交わすことで農家さんの生産意欲も向上するようです。仕入れ価格は、ほぼ農家さんが決めた値段で買い取りしていますが、良心的な価格です。弊社としてもお客様に良いモノをお手ごろな価格で提供でき、ありがたく思っています」と青果バイヤーの宗吉健二さんは話す。グッディーでは都会で有機JASの野菜を求めるより、1~2割安く同じ品質のものが購入できるという。
ほか出雲市産のブロッコリーや江津市産のゴボウなど地元の特産品を積極的に仕入れ、地産地消にも取り組んでいる。また毎月「食育」週間を設け、お客様に食の楽しさと感動を伝え、食卓に笑顔と健康を提供できるように努めている。
お魚のなかだ(浜田市)
朝獲れ鮮魚をその日のうちに
※2017年12月の時価です。
島根県西部沖は対馬暖流のおかげで魚のエサとなるプランクトンが多く、浜田漁港は県内一の水揚げを誇っている。中でもアジ・ノドグロ・カレイの三魚は特産品として「どんちっち(神楽の囃子を表現する言葉)」ブランドを立ち上げ、全国に発信中。高級魚として知られるノドグロは、地元では一般的に食されている魚だ。
浜田市内で約40年間、鮮魚店を営む「お魚のなかだ」には、浜田漁港から水揚げされた新鮮な魚介類が店に並ぶ。その日に仕入れた鮮魚は、店頭や併設の食事処で海鮮丼や刺身定食にするなど、なるべくその日に売り切るようにしている。残ったものは翌日、唐揚げや南蛮漬けなどの惣菜として提供。鮮魚で調理しているため一味違うおいしさだ。惣菜を求めに来るお客様も多い。またタイやカンパチなどの大きな魚を刺身用に下ろすサービスも行っている。
「浜田漁港は昔から山陰有数の漁港で、地元の人は魚を知り尽くし、目や舌が肥えている人ばかり。地元の魚屋として良いものを安く提供できるように、信用のおける仲買業者と取引するようにしています」と2代目店主の仲田明さんは話す。