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家族三世代が笑顔で笑っている様子

池田麗菜さん

田舎は何かと不便で、閉鎖的って聞くけど・・・

 全国的に見れば、島根県は“田舎”にカテゴライズされる地域。とはいえ、地域により雰囲気は異なります。隠岐の島町は離島ですが、池田さんの暮らす西郷地区は町の中心部。ショッピングセンターやドラッグストアもあります。これまで各地の離島を旅してきた池田さんは、「すごく栄えていて、こういうのも島って言うんだってビックリ」と驚きを隠せません。
 隠岐諸島はUIターン者が多く、移住者らのコミュニティも。そのため、Iターンであっても距離を置かれることなく、ニュートラルな関係でコミュニケーションがとれるのも魅力。「顔の見える関係性は安心しますね」とは池田さんの言葉。勇気を持ってコミュニティに飛び込んでしまえば、そこからのご縁は波紋のように広がっていきます。

移住BEFORE・AFTER

[BEFORE]

 住所

大阪府

 職業

プログラミングスクールのトレーナー

 住まい

1R

 趣味

SUP

[AFTER]

 住所

隠岐の島町

 職業

デザイン・名刺製作など

 住まい

3DK

 趣味

スキルアップ

池田さんの移住ストーリー

池田さんのヒストリー

黄色い丸のアイコン 移住“前”の暮らし

崖のから海を映している画像

公私ともに満たされた日々
休日には趣味の離島めぐり

 スキルアップや転職に向けてプログラミングを学ぶ社会人らを対象に、目標達成を支援するマネジメントなどを行っていました。自然、特に水辺が好きなので、休日には海や川に出かけたり、離島を訪ねたり。公私ともに満たされた日々を送っていました。

黄色い丸のアイコン 島根に決めたワケ

子供を抱えた女性の隣に男性がいて笑っている様子

隠岐に移住する彼との出会い
島暮らしへの憧れも

 仕事で大きなプロジェクトを無事終わらせ、充足感に満ちていた時に感じたのが「家族を育みたい」という思い。大阪府在住時に現在の夫と出会い、彼が祖父が暮らす隠岐の島町への移住を決めていたため、一緒に島へ渡ることに。

黄色い丸のアイコン 移住のためにしたこと

船が出航している様子

オンライン移住イベントで
島での仕事内容を相談

 隠岐の島町役場HPで「地域おこし協力隊」、ハローワークで隠岐の島町観光協会職員の募集をそれぞれ発見。詳しい仕事内容を知りたくて、定住財団主催の大規模オンライン移住イベント「しまね移住ワンダーランド」に参加し、スタッフらに相談しました。

黄色い丸のアイコン “今”の暮らし

パソコンの前に座っている女性と、隣でパソコンを指さしている男性

地元企業でスキル磨く
「自然保育」にも関心

 内装やデザイン、農業など多彩な事業を展開する地元企業に転職し、人脈も大幅に拡大。新たなスキルを磨いています。長男が1歳になり、隠岐諸島の豊かな環境や、地域資源を生かした「自然保育」のコミュニティづくりにもチャレンジしたいそう。

池田さん利用した支援

ライン

UIターン
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移住者のホンネ教えて!

  • 結婚

    隠岐愛が強い夫の男気も相まって
    離島への移住を決意

     「家族が欲しい、家族のためにも生きていきたい」と思った矢先、出会ったのが大阪在住で機械系エンジニアだった夫。数回会った後に、「来春には隠岐へ行く」と聞きました。祖父が一人、隠岐の島町で漁師をしているものの、祖父の跡を継ぐ人間はいないとのこと。安定した仕事を辞めてまで「故郷を守りたい」と話す彼の言葉に男気を感じ、ついて行くことに。元々、自然や離島が好きで、長い休みが取れれば屋久島や西表島などの島々を訪れていた私。離島ならではの、自然の中にいるとありのままでいられる点が好きでした。

  • お金

    光熱費は大幅にUP
    けど、誘惑は少なく支出全般ではダウン

    港で子供と両親が楽しそうにしている様子

     大阪に住んでいた時と比べると、光熱費は約2倍に増えました。家族が増えたことや、世界情勢の変化などで電気・ガス代が高騰したことも影響しているのでしょうが、都会に比べて整備が進んでいない離島ならではの事情もあるようです。日用品や食品関連だと、スーパーやドラッグストアなどは揃っているものの、一般的なスーパーは都会より価格が高い印象。魚介類こそ祖父などからいただけますが、私が暮らす西郷地区では〝おすそ分け〟文化もあまりないです。ただ、消費を誘惑されるシーンが少ないので、支出は全般的に減りました。

  • 食

    多種多様な魚が続々と食卓に
    命と食の繋がりを実感

    港で女性が笑っている様子

     大阪に住んでいた頃は、週末に料理する程度でしたが今はほぼ自炊。漁師として働く夫がさまざまな魚を持って帰ってくるので、海産物の宝庫・隠岐諸島の魅力を日々体感しています。調理中、返り血を浴びたり、魚の胃袋からイカが出てきたり。「いただきます」の言葉の重さを今まで以上に痛感するようになりましたね。島では命と食が繋がるんです。逆に、都会では当たり前に食べていたパフェやステーキなどは、滅多に口にしなくなりました。けれど、本土に渡った時など、たまに食べるくらいがいいと思うように。総合してみると、食に関する満足度は上がったと思います。

  • 住

    古い家ではカビや虫の被害も
    島の風情が漂う地区へ引越しを思案中

    船が数隻止まっている漁港

     移住後最初に住んでいた賃貸住宅は、古くて虫やカビに悩まされました。朝起きたら体の上にダンゴムシやバッタがはっていることも……。島では普通かもしれませんが私は耐えきれず、設備が整っている町営住宅に引越しました。高い倍率ですが運良く選考に受かったんです。ただ、私が再就職して収入が増えたため、来年は家賃が上がる予定。なので今は、90歳の祖父が一人で暮らす一軒家への引越しも検討中です。同じ町内でも、祖父宅は島の風情が漂う地域で、田舎ならではの濃いご近所付き合いもあるんです。私はそういうのが好きなので正直、早く引越したい!

  • 仕事

    「島暮らしを楽しむ」テーマに再就職
    新天地では地域の課題解決に一役も

    カウンターで男女が楽しそうに会話している様子

     元々旅行好きだったうえ、前職では全国各地を転々としていたこともあり、未知の土地での生活には不安がありませんでした。そんな中、一番の不安は仕事だったので、移住前に定住財団のオンライン移住イベントに参加。就職を考えていた地域おこし協力隊の経験者から直接話を聞くことができ、前職の経験を生かせられるようなイメージが湧きました。
     働き始めて約半年で妊娠が判明。自分の確認不足だったのですが、協力隊は任期3年でも1年更新のため、産休育休制度がないことが分かりました。実家のある福島で里帰り出産した後は、再び仕事を探し始めました。

    女性が笑顔で旗を持っている様子 二人の女性が手元を見ながら会話している様子

     島暮らしをエンジョイするなら、地域と繋がりを持ちたい――。そんな思いでネット検索してヒットしたのが今の職場。内装業やデザイン業だけでなく、農地の耕作放棄や老舗の後継者不足など、地域の課題を解決するために多彩な事業を展開している会社で、その理念にまず惹かれました。長男を抱いて初訪問した時に、「子どもはみんなで育てたらいいんだよ」と社長に声をかけられ、とてもうれしかったことも覚えています。

     今は、看板や名刺、印刷物などのデザインに関わる部署でアシスタントをしています。お客様と打ち合わせをして要望をまとめ、デザインも考案。同様の仕事をしている会社は町内にないので、当社と関わりのない企業や団体はないといっても過言ではないくらい。人脈もとても広がりました。今後はスキルアップしてデザインをきわめ、島に還元できるような仕事を目指していきたいです!

移住考え中の方へメッセージ
橋が架かっている川の様子 都万地区の夕日スポット 池田さんの好きな場所

「誰もがかけがえのない存在」
離島が思い出させてくれたメッセージ

  転職支援の仕事をしていたこともあり、スキルを磨くことや上昇志向を持つことの素敵さは知っています。でも、島にいると伸び伸びと、ありのままに生きられることの喜びを再認識させられますね。人口が少ない分、島には一人ひとりを大事にしてくれる空気感に満ちています。なので自分に自信がなくなることがありません。

子供を抱えた女性が笑顔で笑っている様子
生活している中で、離島で暮らしていることを忘れそうになった時には、海沿いの夕日スポットへ足を運んでいます。美しい景色を見て、移住を決断した自分を鼓舞する感じかな(笑)。