UIターン者のしまね暮らしにクローズアップ

ON夫婦念願の洋食店をオープン常連客多い人気店に Report01福田一也さん36歳 京都府 >>> 大田市
OFFマイホームを新築平屋建ての広々空間で家族だんらんを楽しむ

ONの日スケジュール

ONの日スケジュール
8:40 「仕込み」
妻の実里さんは娘さんを保育園に送ってから9時頃に出勤する。仕込みと開店準備を担当。
11:00 「開店」
自慢のデミグラスソースがたっぷりかかったハンバーグがメインのMIXプレートランチが人気。
18:00 「開店」
前日までの予約限定でコースを提供。
21:15 「帰宅、自由時間」
ジムに行ったり、ゲームをしたり。
23:00 「夕食」
実里さんが作ってくれたものを食べる。

OFFの日スケジュール

OFFの日スケジュール
9:00 「子どもたちと遊ぶ」
晴れの日は近くの公園などに娘さん2人と出かける。雨の日はおうち時間。
13:00 「昼寝」
子どもと一緒に寝てしまったり…。
16:00 「買い物」
市内のスーパーなどへ家族みんなでお買い物。
18:00 「夕食」
普段、家族と一緒に食べられないから休みの日はみんなで楽しく。鍋やたこ焼き、大皿料理など。庭でバーベキューをすることも。
befor after
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福田さんの移住ストーリー

移住前のくらし:時間や休みが合わなくて一緒に過ごす時間がない
 京都市内のマンションで妻 実里さんと二人暮らし。別々の飲食店に勤務していたため、就業時間や休みの日が違っていて、一緒に過ごす時間がほとんどありませんでした。そんな中、実里さんの妊娠が分かり、今後の生活スタイルを考えるように。
島根との出会い・決め手:子育ては自然豊かな地で頼れる人がいる妻の故郷へ
 「子どもは、自然豊かで頼れる人がいる地元で育てたい」。結婚当初から実里さんは繰り返し話していました。結婚式の前撮りで訪れた大田市は、緑豊かで海の美しさが印象的な土地。飲食業の仕事は大田市でも見つけられるはず、と移住を決めました。
移住のためにしたこと、考えたこと:助成制度使って現地訪問普通車運転免許を取得
 ふるさと島根定住財団と、大田市役所に電話で相談後、交通費助成制度を活用し、実際に大田市を訪問しました。起業も視野に入れ、短期での飲食店勤務の紹介を定住財団に依頼。運転免許を持っていなかったため、合宿教習所に入校しました。
今のくらし:起業した洋食店が評判に家族で協力して仕事と育児を
 飲食店勤務を経て2018年、夫妻で大田市内に洋食店をオープン。地元はもちろん、松江市や浜田市からもリピーターが相次ぐ人気店に。両親らのサポートを受けながら営業しています。2人で居る時間が格段に増え、休日は家族でゆっくり過ごせています。

福田さんが利用した制度:「しまね登録」会員登録特典交通費助成

仕事探しの際にぜひ活用したい制度
島根県外にお住まいの方が、仕事探し(会社見学・面接など)で来県の際に利用できる制度。交通費(片道分)の助成を受けることができます。
※上限2万円・年度内2回まで

移住者のREAL

住
広々とした平屋を新築
子育てやお母様との同居暮らしも満喫

 京都市内で暮らしていたのはマンションの1LDK。街の真ん中だったので、飲みに行ける店は多いし、普段は自転車で何でも完結できるくらい便利でしたが、子育ては絶対無理だと思っていました。妻の実家での同居を経て2021年4月、店からも実家からも近い場所に3LDKの平屋を新築。翌年には京都から母を呼び寄せ、同居しています。広々としたLDKは、キッチンからすべてのフロアを見渡せるので妻が喜んでいます。今後は、家庭菜園での野菜栽培にチャレンジするつもりです。

食
野菜に加え、魚の新鮮さに驚き!
地産地消を意識した食卓で子どもの味覚も豊かに

 店で使う食材を買い出しするついでに、家族用の食材も購入しています。スーパーなどでの陳列が地産地消を重視している影響もあって、無意識に地元産の食材に手が伸びるように。スーパーでは、一匹丸ごとの魚が並んでいるのに驚き。京都のスーパーはほぼ切り身だけでした。野菜も魚も鮮度が本当に良く、真夜中に24時間スーパーに駆け込んでいた京都時代とは大違いです(苦笑)。子どもも保育園で地元食材の手作り給食を食べているせいか、とても舌が肥えていて、できあいのコロッケやハンバーグにはそっぽを向きます(笑)。

お金
“おうち時間”が増えて光熱費はアップ
食費や住居費は、実質的にスリム化

 京都時代は1LDKで家賃が約8万円。今は一戸建てを新築したのでローンの支払いが月約10万円ですが、広くて庭もあり、母も一緒に家族5人がゆったりとくつろげています。食費は、外食が減った上、店の食材や料理の残りなども持ち帰って活用しているので、家族が増えたにも関わらず随分減りました。ご近所から野菜をいただくことも多いですね。
 一方、京都では寝る時くらいしか自宅にいませんでしたが、今は子どもや母が同居している上、コロナ禍の影響で「おうち時間」が増えたため、光熱費は大分増えました。ただ、子どもの医療費は中学卒業まで無料で、2歳の次女の保育料も国の基準より低いので、教育費はほぼかかっていません。

車
しまね暮らしに車は必須
移住を決めてから免許を取得

 京都市内に住んでいたので、普段の移動は自転車か徒歩がメイン。運転免許すら持っていなかったので、移住を決めたらまず教習所に通いました。母も運転できないのですが、年齢的に免許取得は難しい上、バスやタクシーも少なく、日中は出かけずに家でくつろぐことが多いようです。母には平日の夜、店の厨房を手伝ってもらっていますが、同年代の義母と休みが合った時には、二人でドライブを楽しんでいるようです。

起業
培ってきた経験と技術を生かし、夢だった洋食店を夫妻で開業
自慢のソースが評判に

 Iターンして約2年は定住財団などに紹介してもらった飲食店に勤務していました。しかし雇われて料理を作るのではなく、京都で培ってきた自分たちの技術を生かし、自信あるメニューをお客様に直接食べてもらいたいという気持ちが膨らんできました。妻と二人で自分たちの店を出すのは、以前からの夢。働きながら少しずつ市役所や金融機関、商工会議所などに相談し始めました。京都に比べ、人口が少ない大田市で経営できるのか不安はありました。しかし、同世代の人が経営している飲食店に2人で出向いて話を聞いたり、商工会議所で具体的な数字を出したシミュレーションをしてもらったりして次第に不安を払拭。ホテルや同業者が多く、駐車場もある今の場所での開業を決めました。  店は2人で経営するには広過ぎたので、当初は席数を半分にしてオープン。料理やドリンクのメニューも絞りました。できるだけ地元産の食材にこだわり、家具も地元の職人さんにオーダーメードで作ってもらいました。しまね和牛の旨みを生かしたデミグラスソースなどが好評で、少しずつリピーターの方が増え、浜田市や出雲市、松江市から定期的に通ってくれる方も。コロナ禍前は宴会需要も高く、今では座席数も開店時の約1.5倍、メニューは約2倍に増えました。 最近、店で水素水を使い始めたところ、ブイヨンが以前より濃厚に取れるように。ソースの味もより向上しました。将来は、うちの看板でもあるデミグラスソースを商品にして全国に展開していけたら、と夢を描いています。

実際に暮らしてみて
島根はどうですか?しまね暮らしのホンネ

優しい大田市の人に感謝 豊かな交友関係も誕生!

 店に来て下さるお客様も、行政や商工会議所、同業者の人たちも、本当にみんな優しくて。人が一番好きですね。商工会議所主催の起業塾で知り合った方に誘われたのをきっかけに、三瓶山の頂上で朝日を見ながら朝食を頂く人気イベント「天空の朝ごはん」に参画。毎回、季節野菜のスープを提供しています。観光リフトの故障やコロナの影響で順調にいかないこともありましたが、さまざまな人との出会いに恵まれ、美しい朝日の景色には毎回感動を覚えています。コロナ禍には町内の5店舗共同で「ドライブスルー弁当」を実施。ピンチの時にも、同業者の方たちとタッグを組んで乗り切ってきました。地域の活動に参加することで、店の中ではできない多くの経験をさせてもらっています。

ここがちょっと

医療機関が少なく、待ち時間も長い
夫妻で店をしているので、仕事の合間に出向ける医療機関は近所に限られますが、眼科や皮膚科のクリニックが少ないのが少々難点です。ただ子どもの医療費は、中学校卒業まで無料なので助かっています!