放牧酪農という 夢を求めて 奥出雲町へ移住
「好きじゃないと酪農はできない」と語るのは〝ダムの見える牧場〟を営んでいる大石亘太さん。広島大学で放牧酪農を学んだ後、6年前に奥出雲町にUターン。夢であった酪農の職に就き、3年前から本格的に自分の牧場を始動した。毎朝5時に起きて牧場へ行き、夜の8時まで仕事。「牛たちは憎たらしいけどカワイイ奴」と、毎日共に過ごしているからこそ言える言葉である。
奥出雲町で放牧酪農をすることになったきっかけは、卒論で取材した雲南市の木次乳業から、尾原ダムの近くに新しく作る放牧酪農場の牧場主を募集しているという情報が入ったからだ。運良く採用されたものの、牛が1頭もおらず牧場や牛舎作りから始めることに。大石さんは木次乳業で放牧酪農の勉強を行う傍ら、牧場の整備や牛舎建設等を進めていったのである。幸いにも資材の調達や人員サポートなどは木次乳業の支援があった。
「手伝いに来ていただいた方は戦前を知っているご高齢の方。でも、あの時代を生きた人はスゴイです!」。先人の経験や知恵、技のおかげで牛舎や牧柵が仕上がったのである。 現在は奥さんの加奈さんと二人三脚で牧場を運営。搾った牛乳は木次乳業に出荷しているため、安定した収入も入ってくる。
「これからは加工品の開発も考えています。また『自然放牧』の理念に基づき、景観を維持しながら、子どもたちに楽しんでもらえる観光牧場を作り上げたいです」と大石さん。夢の牧場は発展途上中である。
1.空き家情報は地元の人に聞く!
引っ越しまで時間がなかったので、住居はインターネットで探しました。牧場の近くに空き家がなく、今住んでいる地区に決めました。これまで通勤に40分かけていたので、家から牧場までの20分は大丈夫だと思っていましたが、やはり雪の日などは辛い…。実際、牧場の近くに空き家がたくさんあったので、Uターン前にもっと地元の人から情報を聞けば良かったと思いました。
2.自治会活動が熱い!
山口県で暮らしていたときも自治会に入っていましたが、今の自治会の行事の数と人との関わりは半端なくスゴイです。消防団に入るのは半ば強制(笑)。草刈りは当たり前、ほぼ毎月自治会の行事があります。地区によって自治会活動に温度差はあるようですが、一番のカルチャーショックでした。
3.UIターン者同士の繋がりが励みに
地元は松江市ですが、仕事ありきでUターンしたので、仕事に慣れることに必死の日々。そんな中、ふるさと島根定住財団の定住塾やUIターン者が集まるイベントに参加。同じ年代や境遇の人たちと意見交換をしたり、他分野の人たちから話を聞け、勉強になり励みにもなりました。今でも、その方たちと繋がっています。
大石亘太さんの Profile
ふるさと島根定住財団のUIターンしまね産業体験事業を活用し木次乳業で働きながら「ダムの見える牧場」を準備。3年前から放牧酪農を行う。
島根県松江市出身
▼広島大学生物生産学部で 放牧酪農に興味を持つ
▼山口県の畜産振興協会に就職
▼6年前に奥出雲町へUターン
私の町のお気に入り
温泉が多いことです! 佐白、湯村、亀嵩温泉など、近所に3つもあり、どこも泉質が良いです。お気に入りは湯村温泉。川を眺めながら湯に入ると、日々の疲れが癒されます。