島根がもっと好きになる!地元編集部が見つけた島根のいいところ
VOL.10

島根の海チカ&山ナカ在住あるある。もしも、住むならどっち?

住むならどっち?島根の海チカ&山ナカあるある
暮らす 癒やし

こんにちは!山陰のタウン情報誌ラズダの編集部いしやんです。

東西に長~い島根県。東と西で違うのはもちろん、山あいの町と海辺の町とでも文化が違ってくるのも特徴のひとつ。

そこで今回は、海チカ(浜田市)在住歴のある私、いしやんと、山ナカ(出雲市佐田町)出身の編集部べーやんで、島根あるあるトーク!「ホントに?」ってことから、「メッチャいいじゃん」ってことまで、島根のホンネを語ります!

★実際に海チカ、山ナカへ移住された方のインタビューも。後半も要チェック!

海チカ、山ナカの暮らしってどんな感じ?

べーやんは出雲市佐田町の出身だけど、実家は今も佐田町?

そうだよ。今は出雲市の中心部辺りに住んでるけどね。そういえば、たまに実家に帰ると、耳がキーンってなるんだけどなんでだろ?

(標高の低いところから、標高の高い佐田町へ行くせいかと・・・。)

【あるあるメモ】

ひと口に出雲市と言っても、出雲市街と出雲市佐田町では、環境がまるっきり異なります。ほかにも島根県内には、合併で大きな市になったエリアがいくつも。例えば、浜田市だと浜田市港町は海に面した場所なのに対し、浜田市金城町は山の中エリア。気候もガラッと変わります。なので、「○○市▲▲町」の町名まで確認して、地図も見ながらエリアをリサーチするのがオススメ。

島根県出雲市の主要エリアの位置関係

やっぱ、海辺の街・浜田市は、魚がうまいの?

確実にうまいね。安いし、何より種類が多い!たまに“ナニコレ?”みたいな魚もあるけど・・・。高校卒業して関西に出た時、スーパーで尾頭が付いてない魚がずらっと並んでいる光景を見た時は、かなりカルチャーショックだったな~。

島根県西部エリアのスーパーの鮮魚売り場

そういうカルチャーショックネタってあるよね~。俺もガードレールに大根干してないの見た時は、けっこう驚いたわ!

(ガードレールで大根干すの!?え?)

ガードレールで大根を干しているイメージ

あるあるといえば、玄関に謎の野菜も定番だよね!

いや、怖っ!どういうこと?

要は「無言のおすそ分け」。ご近所さんから採れたての野菜が置いてあるんだよ。
そんで、お返しに何かを渡して、それがきっかけで会話が盛り上がって~。野菜も田舎にとっては、ある意味、コミュニケーションツールなのかも。

【あるあるメモ】

山の中で暮らしていると、旬の野菜は自前の畑で収穫、もしくはもらい受けることもしばしば。加えて、スーパーや道の駅でも地元野菜が売ってるので、どこでも地物が手に入る利便性も。それにどれもおいしい!

玄関前に置かれた野菜のおすそ分けイメージ

島根で暮らすとなると、やっぱり車は必需品だよね。
維持費はかかるけど、歌ったり、考え事したり。車=自分だけの空間と考えればプラスの面も。

車はどの場所だろうと、島根では必須。というか、どうしても公共交通機関は「汽車」もバスも運行本数が少ないし・・・。

【あるあるメモ】

島根を走るJRは電化されていないため、地元民は「汽車」と呼びます。逆に「電車」と言うとネイティブな地元民から、不思議なリアクションをされる(かも)。ちなみに、海沿いを走るJR山陰本線は風の影響を受けて、ちょいちょい遅れるor運行取りやめになる・・・。

日本海沿いを走るJR山陰本線の車両

汽車の話で思い出したけど、海の街で一軒家に住むなら「塩害」は要注意だわ!あれはけっこう大変。

「塩害」って何?

潮風をまともに受ける場所だと、家のサッシとか車とか、海の塩分でサビが出ちゃうんだよね。なので、対策は必須。まぁ、山ナカ住まいには関係が・・・。

サラッとディスらんとって。「塩害」ほどじゃないけど、山の中だと運転中にイノシシが出現して、徐行を余儀なくされるシーンはなくもないな。

サファリパーク住まいなん!?

【あるあるメモ】

海チカだと強い浜風も要注意。雪は降らなくとも、冬の浜風はメチャクチャ寒い!移住を考えるなら、過ごしやすい時期だけじゃなくて、厳しい時期にリサーチへ出かけるのも一策です。
山ナカエリアの害獣、イノシシは、最近ではジビエブームもあり、特産品として売り出す地域も。丁寧に処理されたジビエは絶品ですよ~!お試しあれ。

イノシシにでくわした時のイメージ

休みの日は何して遊んでた?

休日は何してたかな~。

こっちは夏といえば、だいたい海だったな~。

穴場の海水浴場とか?

海水浴場?地元民は黙って橋からダイブ!

えー・・・。ワイルド。

島根県浜田市の穴場海水浴スポット

あとは釣りかな。あちこちに釣具屋はあったし、みんなルアーも持ってたな~。

やっぱり海中心なんね。

それ以外だと、学生だったし「イオン」や「ゆめタウン」。前は江津市に「グリーンモール」っていうショッピングモールがあって、かなりお世話になった記憶。

困った時の「イオン」ね!分かるわ~。
あとさ、田舎から街ナカへ出る時、「下りる」って言うよね~

(それ、山ナカだけでは・・・)

ゆめタウン浜田の外観

【あるあるメモ】

山ナカ出身のべーやんによると、「スイバ」なる草を食べてたらしい。佐田町あるあるなのか、山ナカあるあるなのかは不明。

あとは祭りだね!島根県西部の石見エリアは、石見神楽って伝統芸能が盛んな地域。なので、石見で祭りってなったら、屋台のある祭りじゃなくて、だいたい神楽だったな。今でもお囃子を聞くと、ウズウズするわ。

演舞中の石見神楽

もう一度、住むなら海チカ?それとも山ナカ?

この質問は難しいな。

学生時代は「田舎、ヤダ!」って気持ちもあったけど、一度、都会暮らしを経験すると、落ち着くのは山ナカかもしれん。

そう言われたらそうだね。俺は島根県西部の人たちのサバサバした人柄が性に合ってるかも。
確かに娯楽は少ないし、外食の選択肢も少ない。けど、その辺で売ってる食材のレベルが段違いに高いし、環境は問題にならないな~。

目に見える環境だけじゃなくて、人柄も大切だよね。そうなると、移住前の下準備ってメチャクチャ大切だな~。その地域の移住相談窓口への相談はもちろん、SNSとかで情報収集しておくのも良さそうだね!

★それでは、実際に移住された方にも生の声を聞いてみよう!

島根にやってきた移住者さん、ホンネを教えて!

海チカへ移住した「池田麗菜さん」に聞きました!

島根へ移住する前の気持ちを教えてください!

元々、15の島々を一人で巡っていたほどの離島マニアで、いずれは離島暮らしをしてみたい!と思っていました。と言っても、今住んでいる隠岐の島町へは来たことがなく、正直、ドキドキとワクワクで胸いっぱい。島ならではの過ごし方ができたらいいな~、と漠然とした考えでいました。

島根県隠岐の島町に移住した池田麗菜さん夫婦

島根へ移住してみた感想は?

当たり前ですが、海がとにかく近い!以前住んでいた大阪からは、何時間もかけて海の水平線や夕日を見に行っていました。が、今ではものの数分で、自分の大好きに逢えるんです。
あと、高い建物がない分、視界がとっても広い。空を気持ち良さそうに飛ぶ飛行機、雲などなど。空を眺める時間が増えたかも。
肝心の暮らしについては、必要最低限のお店は揃っているので、想像以上に生活には困りませんね。

島根県隠岐の島町に移住した池田麗菜さんの生活風景

ずばり、海チカの推しポイントは?

魚、イカ、貝が抜群にうまい!今まで寿司屋を訪れると青物一択でしたが、こんなにクドクない脂がのっていて、臭みもなく、引き締まっている魚は食べたことがありません、感動!
今子育て中ですが、手を伸ばせばすぐに本物の自然をふれることができ、感性を育む子育てができることがうれしいですね。

島根県隠岐の島町に移住した池田麗菜さんの生活風景

これ島根だけ?地元ルール、島根あるあるネタ、ありましたか?

フォトウエディングをする際、義祖父宅で着付けをしていると、近所の方々が10名ほど玄関に集結。出発と同時に大歓声が・・・!小学生の女の子がキラキラした瞳で見つめてくれて、うれしかったなぁ~。
それから、子どもが産まれて数日間、義祖父宅に住んでいた時のこと。夏だったため玄関を網戸にしていたら、生後間もない我が子を見つけて小学生、近所のおばちゃんなど毎日たくさんの方がかわいがってくれたこと。なんでもお祭りになる人柄、地域性が◎。

島根県隠岐の島町に移住した池田麗菜さん

最後に島根移住を考えている人へメッセージを!

都会で暮らしていると、お買い物に美容に映画館、カフェにバルと、消費していれば自分の時間が急速に過ぎていきます。
隠岐に来て何もすることがなくなってしまい、遊びを生産する力がなければ、人間力が育まれていかないことを学びました。
今後は子どもと一緒に、自然を題材にした遊びを生み出す力を養い、サバイバル偏差値をUP。さらに島暮らしを楽しんでいきたいと思います!

島根県隠岐の島町に移住した池田麗菜さんの生活風景

移住者プロフィール

お名前 : 池田 麗菜(いけだれいな)さん
現在のお住まい : 隠岐の島町
以前のお住まい : 大阪府
ご出身 : 福島県
休日の過ごし方・趣味 : 子どもと海さんぽ
現在のご職業 : 主婦

山ナカへ移住した「小溝一平さん」に聞きました!

島根へ移住する前の気持ちを教えてください!

前職は、数年おきに転勤があり、子どもを転校させるのも可哀想だし、かといって自分が単身赴任するのも・・・。残業も多く、家に帰ったら子どもたちは寝ているし、朝も早いので家には寝るために帰っているようなもの。そういった状況もあり、自然豊かな場所で体を動かす仕事をしたいと、移住を決意。
収入面や慣れない土地での生活に不安もありましたが、助成金をリサーチしたり、収支管理アプリでシミュレートしたり。事前情報をできるだけ集め、準備をして“住めば都”精神で川本町へ!

島根県川本町に移住した小溝一平さん

島根へ移住してみた感想は?

私が移住した川本町は、以前から移住者が多く、地元の方はすぐに受け入れてくれました。加えて、子ども連れでの移住だったこともあり、歓迎ムード満点。林業は残業がなく、今の仕事は帰宅も早いため、帰ってから子どもと遊んだり、晩酌したり。仕事で大量に汗をかくのでビールが格別!(笑)
また、移住を機に空き家をリフォームして念願の薪ストーブを設置。以前の趣味だったゴルフは、ゴルフ場などがないため、できずじまいですが、今では薪割が趣味みたいに。
狭いコミュニティなので、話題はすぐに拡散。1、2年もすると、乗っている車も大体把握されるので、運転中すれ違う人によく手を振ってもらえてうれしいですね。あと、人が少ない分、地域や職場など、一人ひとりの役割や価値が非常に高いと感じています。

薪割りをしている時の様子

ずばり、山ナカの推しポイントは?

春と秋、車で約10分の山から超高確率で雲海を見られるんです!あの景色は宝物のひとつですね。
あと、山の中なのでイノシシ、アナグマ、サル、キツネなど、野生動物がいっぱい。移住後に狩猟免許を取得し、主にイノシシ狙いで狩猟もしています。これは自然豊かな場所ならではの趣味のひとつかも。
また、近所は裏山付の家がほとんどで、木を切ってくれとか、持って帰ってくれという話が多々。これは薪ストーブユーザーにとっては最高の環境だと思います!

島根県川本町に移住した小溝一平さんのお気に入りスポット

これ島根だけ?地元ルール、島根あるあるネタ、ありましたか?

移住して間もないころ、お願いもしてないのに隣のおばあちゃんが、我が家の家庭菜園にいろいろな野菜の苗を植えてくれ、草抜きから収穫まで全部面倒を見てくれた。不慣れな土地での土いじり、とても頼もしかった!
川本町は野生のサルが多く、近所のおじいちゃんは、大体みんな対サル用エアガンで武装(笑)。あと、石見神楽はみんな大好きですね~。
去年は保育所の卒園児がうちの子ひとりだけ。コロナ禍で卒園児の保護者しか参加できなかったので、来賓も自分と妻のみ。卒園児の歌はうちの子が独唱。贅沢な卒園式でした。

島根県川本町に移住した小溝一平さんの生活風景

最後に島根移住を考えている人へメッセージを!

「田舎はお金がかからない」とよく聞きますが、実際は都会に比べて食料品は高いものが多いですね。そのほか、車が必需品ですが購入費、車検、スタッドレスタイヤ代など、支出もいろいろ。さらに、収入は都会に比べてだいぶ少ないので、“お金がなくても何とかなる”と安易に考えない方が賢明かと。貯金など、当面の生活費を確保しておく、事前に生活シミュレーションをしておくなど、準備は普通の引っ越しより念入りが田舎暮らしの秘訣かもしれません!

島根県川本町に移住した小溝一平さんの生活風景

移住者プロフィール

お名前 : 小溝 一平さん
現在のお住まい : 川本町
以前のお住まい : 東京都青梅市
ご出身 : 鳥取県西伯郡日吉津村
休日の過ごし方・趣味 : 狩猟、ウクレレ、お酒
現在のご職業 : 林業 森林組合作業員

※こちらの記事は2023年2月公開

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この記事を書いた編集人Editor

地元情報誌「ラズダ」編集部 いしやん
地元情報誌「ラズダ」編集部いしやん

島根県松江市出身→浜田市→大阪→奈良→松江市在住。喫茶店の冷えたおしぼりと、帽子が大好物な三十路。