User's Voices

自然あふれる故郷で
ゆとりある子育てを

島根ではじめる家族の
新しい暮らし

神奈川県 - 島根県雲南市

SHIMANE TELEWORKER

「子育てを故郷で」という妻の思いを汲み、家族で雲南市に移住することを決意した新島さん。妻の実家のほど近くに暮らし、テレワークというスタイルでそれまでの仕事を続けている。生まれて初めての田舎暮らしに戸惑うこともあるが、新しい土地で新しいスタイルを模索しつつ、家族で島根での生活を楽しんでいる。

TURNING POINT

子育てや暮らしやすさを考えて
パートナーの故郷へ移住

 生まれも育ちも神奈川県、川ひとつ挟んで、向こう岸は東京都という町で過ごしました。今の会社に入ったのは5年前で、私の仕事は主に会社のバックオフィス業務です。システム系の管理や、組織改善、採用担当など、大きな会社ではありませんが、いろいろな業務を任せていただいています。いわゆる営業担当とか、現場の運営といった仕事ではなく、パソコンで一通りの仕事が完結できるような業務のため、神奈川にいた時は自宅近くのシェアオフィスを借りて作業することも多かったです。
 島根に移住してきたのは2022年12月。神奈川では夫婦と子ども2人の4人で暮らしていましたが、妻は子育てや暮らしやすさのことを考えて、生まれ故郷である雲南市で暮らしたいという思いがありました。雲南市へはこれまでも家族で何度か訪れたことがあったので、立地や環境については知っていましたし、私の仕事も通信手段があればどこでも作業ができる業種だったので、「じゃあ移住しようか」という感じで島根で暮らすことを決めました。

About Telework

月に一度の東京出張で
補助金を利用

 移住を決めたのは今の仕事をはじめて2年半ほど経ったタイミングでしたが、ありがたいことに、会社からも特に問題なくOKしていただけました。同僚に移住の話をしたら、「移住先の県や自治体によっては、補助や支援が受けられる制度があるかもしれないよ」と教えてくれました。そこで早速調べてみたところ、この「しまねUIターンテレワーク支援事業」という制度を見つけたのです。
 申請は提出する書類も多く、全部揃えるのはなかなかに大変な作業でしたが、担当の方から書類の書き方や情報を提供していただくなどいろいろなサポートがあり、無事に申請することができました。助成内容の中で私が利用させていただいたのは、「従事企業への出張交通費」です。今、1カ月に1回のペースで東京へ出張していますが、その交通費として補助金を活用させていただいています。もちろん全額ではないですが、島根から東京までの旅費は結構かかりますので、とても助かっています。

スケジュールの変化

自分時間と睡眠時間が増えたことで
心身ともにゆとりができた

  • 東 京

    神奈川から東京のオフィスまでは往復2時間半程度。仕事を終えて帰宅する頃には家族は夕食を終えているため、一人で食べることも多かった。

  • 島 根

    業務時間はキープしたままで、就寝時間と夜のフリータイムが増加。何より家族との時間が増え、夕食やお風呂も子どもたちと一緒に過ごせるように。

Life in Shimane

豊かな自然の中で
ゆとりある子育てを実現

 今は妻の実家から車で10分ほどのところに住居を構え、親子4人で暮らしています。おじいちゃんおばあちゃんが同じ町内に住んでいるという環境は子どもたちにとってもいいようで、普段は学校から直接、祖父母の家に「ただいまー!」と帰っています。子育ての手が増えたことで、私や妻の負担も軽減されているので、そこは本当に有り難いですね。
 私は基本自宅で仕事をしていますが、島根は住環境に優れていて神奈川にいた頃よりも大きな家に住めているため、仕事専用の部屋もできました。妻は昼間は働きに出ていますが、私はテレワークなので、例えば子どもが学校を休んだ時や、体調不良で病院に連れて行かないといけない時などにも対応しやすいというメリットがあります。学校の行事にも参加できますしね。
私自身は都市部で育ちましたが、もともと自然が好きなこともあってか移住自体に特に抵抗はなく、田舎暮らしにもだんだん馴染めてきたように思います。子どもたちも自然の中での暮らしを楽しんでいるようで、こないだは鮎のつかみ取りに参加したり、カブトムシの幼虫をもらってきて育ててみたりとアクティブに過ごしています。そういった生き物とのふれあいは田舎ならではの特権ではないでしょうか。彼らにとって貴重な経験になっていると思います。あとこれは一概にいいとは言えないかもしれませんが、子どもの数が少ないので、その分、子ども同士の繋がりが深いように思えるし、大人の目が届きやすいと感じます。
 移住した当時は上の子が7歳、下の子が4歳で、引っ越しして向こうの友達と離れることについては、彼らなりに寂しさを感じていたと思いますが、今は新しい友達もできて地域のバスケットクラブに入りたいと言い出したりと、すっかり溶け込んでいる様子です。対して私の方は、やはり最初は知り合いがいないという不便さを感じました。これは島根に限ったことではないですが、テレワークで仕事をしていると外部との接点が少ないため、自分から何かコミュニティに飛び込んでいかないと知り合いが増えていかないという難点があります。あと、車は運転できたほうがいいですね。公共交通機関は都会ほど充実していないし、子どもがいるので車移動の方が快適です。夜遅くまで外出することも減りましたし、睡眠時間も増えたので、こちらに来てだいぶ健康的な生活になったように思います(笑)でもオフィスまで歩いたりすることがないので、運動量は低下したかな。意識しないと運動不足になっちゃいそうですね。

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いつか故郷と呼べるくらい
地域の良さを見つけていきたい

 休みの日は町内の「丸子山公園」に行くことが多いです。家の近くにあって、春には満開の桜が楽しめる場所です。大きなショッピングモールなどが揃う松江や出雲へも車で30分圏内なので、家族でよく買い物にも出かけます。県内のいろんな観光地にもだいぶ行きましたよ。まだ行っていない場所もあるので、子どもたちの成長に合わせていろんなところに行ってみたいですね。私は昔から温泉が好きなので、もう少し子育てや暮らしが落ち着いたら温泉巡りもしたいです。島根は東西にいろんな温泉があるようなので楽しみです。
 テレワークという働き方でなかったら、島根に来ることはできなかったかもしれないです。退職してこちらで再就職となると、一気に移住のハードルが上がりますしね。テレワーク自体は、セルフマネジメントができないと成果を上げづらいといった面もあり、人によって向き不向きがある働き方かもしれません。でも自分たちのように子育てをしていたり、例えば家族の介護があったり、何らかの事情で通勤することが困難という人などには、多大なメリットがあると思います。
 田舎暮らしには不便もありますが、そういったものを差し引いても、移住は家族みんなにとって良かったと思っています。今の暮らしに完全に馴染むにはもう少し時間が必要ですが、いつかここが自分の故郷と言えるくらい、家族とともに地域の良さを見つけていこうと思います。

Profile

神奈川県 - 島根県浜田市

SHIMANE TELEWORKER

神奈川県川崎市出身。2022年4月に妻の故郷である雲南市に家族4人で移住。転職することなく、それまでの仕事をテレワークで続けている。