こんにちは!山陰のタウン情報誌ラズダ編集部べーやんです。
みなさん、「うどん自販機」をご存知でしょうか?全自動で調理を行い、熱々の状態で取出口からうどんを提供する、レトロながらハイテクな自販機。
「うどん自販機の中を覗いてみたい・・・!」と、利用経験者なら一度は考えたことがあるはず。
そこで今回は、島根県益田市にある『自販機コーナー オアシス』へ。うどん自販機を開錠して製造工程を見せてもらいましたよ!
“自販機の聖地”とも呼ばれる『オアシス』
益田市の国道9号線沿い、「花ヶ瀬」という地域にある『自販機コーナー オアシス』。近隣にはほかにもレトロな自販機を置くスポットがあり、花ヶ瀬は一部マニアから“自販機の聖地”とも称されています。
地元の方はもちろん、ツーリング途中に立ち寄る県外客も多数。撮影当日も県外ナンバーのバイクがたくさんとまっていましたよ。
店内には、見慣れたジュース自販機のほか、昔ながらの昭和レトロな自販機もたくさん!うどんやラーメンを調理販売する麺類の自販機にいたっては2台も設置されています。
惣菜やスナック類を販売する自販機を発見!
コンビニで購入できそうな人気商品のほか、ちょっと珍しいおやつも。どんな仕組みで自販機から商品が排出されるのか気になるところ。
商品ではなく、自販機目当てで訪れる人が多いかも。
なんと人気おやつ「TOPPO」は100円ポッキリで販売されていました。コンビニより安い!
『オアシス』が誕生したのは1981年。オーナーの田中さん曰く、設置から何度も修理を繰り返して稼働している自販機も少なくないとのこと。
店内奥にはイートインスペース。卓は懐かしいテーブルゲームじゃありませんか!お金投入口にはテープが貼られていてプレイこそできませんでしたが、ゲームのデモ画面はしっかり流れていました。
自販機だけでなく、店内全体がレトロな雰囲気でした。
懐かしいガムの自販機
見つけた瞬間、思わず「懐かしい~!」と声をあげてしまいました!今ではなかなかお目にかかれない、ガムの自販機。
「LOTTE」と大きく書かれた縦長のガム自販機。昔はまちを歩けば出合えましたが、山陰でもすっかり見なくなりました。「そういえばこんなガムあったな~」と、眺めているだけで懐かしい気持ちになれます。
特別にガムの自販機を開錠してもらいました。こんな感じで商品がストックされているんですね。試しにお金を入れてみると、ちゃんと商品が購入できました。
いよいようどん自販機を開錠!
『オアシス』でも高い人気を誇るのが、やはり自動調理してくれる麺類の自販機。創業時以来、かれこれ40年近く設置されているそうで、過去数えきれないほど修理を施してきたのだとか。
今回は特別に、自販機を開錠したまま購入させてもらえることに。さっそくオーナーの田中さんにうどん自販機を開錠してもらいました!
す、すごい!自販機の中には、うどんのプラスチック容器がずらりと並んでいます。上にはスープらしきものが入ったタンクが備わっていて、右側には謎の装置も・・・!
上段が天ぷらうどん、下段がラーメン。いずれも麺の上に具材がたっぷりのっています。やはりスープは後で注がれるようです。
中央には、長細いタンクのようなものが。「片方にはうどんの出汁、もう片方にはラーメンのスープが入っています。両方とも手作りした自家製の味ですよ」とのこと。店内奥にある調理場で、スープを仕込まれているそうです。
自販機とは思えないこだわりぶり!
それではさっそく購入してみます。メニューは「天ぷらうどん」と「ラーメン」の2種類。今回は「天ぷらうどん」をセレクト。
わわ!ボタンを押したと同時に機械的な音が鳴り、容器がゆっくりとローラーコンベアを滑走!
うどんは上手く撮影できなかったので、このシーンだけラーメンの写真です。すみません!
湯切りゾーンへ!
即座にお湯が出てきて湯切りスタート!
あれ、蓋が閉まった・・・?
急に容器が激しく回転!湯が飛び散っています!
湯切りの後は出汁を注入。
本来なら取出口に出てきますが、開錠中のため田中さんがバインダー?でキャッチ!とにかく湯切りのシーンがすごい!この迫力、ぜひ動画でご確認ください!ボタンを押してからほんの25秒程度ですが、とても貴重な経験をした気がします。
大ぶりのエビがのった「天ぷらうどん」。多少ネギが散っていますが、想像以上に具材たっぷり!
別の自販機で「肉うどん」も購入。トッピングに柚子の皮も添えられていて、さっぱりとした良い香り。
「割り箸がないな~」と思っていたら、商品とは別の取出口にセットされていました。七味唐辛子や胡椒も子袋で入っていました。ちゃんと考えて作られているんですね。
気が利いてる!
地元では「花ヶ瀬うどん」と呼ばれ長年親しまれている味。出来立てを頂いてみると、自販機調理とは思えないほどのクオリティーにビックリ!しっかりと出汁が効いていて、麺にもコシがありました。
具材が大きめなので食べ応えもありますよ!
“自販機の神様”と呼ばれる田中健一さん
『自販機コーナー オアシス』を長年経営するのは、津和野町出身の田中健一さん。関西からUターンしたのち、1981年に独立開業。現在は津和野町と山口県岩国市にも自販機の直営店を持ちます。
うどんやそばが1日150食以上売れる年もあったものの、コンビニや大型店の台頭、山陰道の開通など、時代の流れによって徐々に売り上げが減少。それでも味や品ぞろえを工夫するなど「他店と差別化を図りながら生き残ってきた」と語ります。
“神様”と呼ばれるようになったのは、2010年代に入ってから。ライターに書籍で取り上げられ、さらにYouTubeにて動画でも紹介され、広島県や山口県など遠方からも、昔懐かしい自販機を求めて多くの人が訪れるようになったとか。
店内には、田中さんが「何度修理したか分からない」と語るほど大切に扱ってきたレトロ自販機が多数。ぜひみなさんも益田市を訪れた際には、『自販機コーナー オアシス』に立ち寄ってみてください!
自販機の中身を動画でチェック!
うどん自販機のさらに詳しい内容は、YouTubeチャンネル「ラズダTV」で公開中!自販機の調理工程が動画で楽しめるので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね!
自販機コーナー オアシス
電話:0856-23-3198(西部技研)
住所:島根県益田市安富町2597-1 [MAP]
営業:24時間
休み:なし
駐車:あり
※こちらの記事は2024年2月公開