株式会社ゼンキンメタルの求人情報

より高品質なものづくり、より良い職場づくりを目指して。
若手からベテランまで、自由に意見を言い合える企業風土が魅力。

金属加工業(島根県 雲南市)

雲南市中心部から車を3分程度走らせた、島根県と広島県を結ぶ国道54号線沿いに工場と社屋を構える株式会社ゼンキンメタル(以下、ゼンキンメタル)。桜のまちとしても知られる木次町の会社らしく、工場敷地の道路に面した部分にはソメイヨシノの樹が立ち並び、春になると見事な桜の花々が市民の目を楽しませてくれます。

雲南市は人口36,000人ほどのまちですが、この一拠点のみで26年以上金属加工業を営むゼンキンメタルの主要取引先には、誰もが知るような国内大手の電機メーカーや医療機器メーカーが名を連ね、その確かな仕事への厚い信頼から、リピート注文が絶えないとか。

いかにしてそのような信頼を獲得しているのでしょうか。まずは同社取締役 総務・企画部長の藤原章充さんにお話を伺いました。

Q.主な事業内容は?

弊社の事業内容は、「薄物精密板金」と「医療機器組立」の二本柱になっています。どちらかというと薄物精密板金の方が主力となっておりまして、鉄の板からお客様が指定された形状通りに加工して、組み上げることを得意としています。薄物板金を専門としていますので、厚い鉄板の加工というのは行っておりません。

一言で金属加工といっても、金属の種類や大きさ、用途は多種多様ですが、ゼンキンメタルの得意分野は「薄い鉄の板の加工」であるとのこと。

Q.薄物の板金加工に特化した理由は?

薄い板と厚い板では、加工に必要な機械が異なるんですよ。両方やるとなると、設備投資も膨大になるので、どちらかに特化した方が効率的でもあります。また、創業時からお付き合いのあるお取引先様に、薄物を使った製品を作る企業が多かったことも理由のひとつです。

ゼンキンメタルが生み出す金属加工製品の数々を見てみると、一見どんな製品のどの部分に使われるものなのか、容易には想像がつきません。お客様との取引上の守秘義務もあって、具体的な完成品の名前を聞くことはできませんが、そのどれもが一枚の鉄の板から成り立っているとは思い難いほど緻密かつ複雑な造りになっています。

Q.同業他社と比較した際の御社の強みは?

やはり品質ですね。我々は品質こそが製品のトップバリュー、つまりは頂点にあるべきものだと認識していて、他社には作れないものでもNOと言わずに挑戦する姿勢を大切にしています。弊社の製品はいずれも、お取引先企業様が製造される最終製品の一部にすぎないことが多いのですが、その一部でも不良があれば、当然製品全体も不良品にしてしまう、ということで、お客様から要求されるレベルも高いですし、それに応えようとする我々の技術力もそれに合わせて上がってきています。

より良い製品を生み出そうと努力を重ねるお客様に対して、年々厳しくなる要望を叶え続けることは、ゼンキンメタルのようなサプライヤーにとって挑戦の連続であるといいます。それだけに、お客様の要求に応え続けられる企業だけが生き残っていけるような厳しい世界でもあります。

ですから、まずはその意識を社員全員が共有できるように、高品質なものづくりをみんなで目指せるような職場づくりを地道に進めています。もちろん、気をつけていても不良品がゼロというわけにはいかないのが製造業の現場ですから、不良が出てしまったときには、原因の追究と、再発防止策をしっかりと講じる、この繰り返しによって、品質の維持と向上に努めています。

こうして従業員一人ひとりが「より良いものづくり」を意識する企業風土をコツコツ醸成していった結果、ゼンキンメタルはお客様からの「信用と信頼」を着実に積み重ねて、数多くの大手企業からのリピート注文を獲得し続けています。

Q:藤原さんの入社のきっかけは?

私は県内の別の製造業からの転職でしたが、入社当初はSE(=システムエンジニア)のような立ち回りができる人材として採用していただいた経緯があります。前職でSEのようなこともやっていたので。ただ、我々のような中小企業では、なかなか1つの職種だけをこなせばよい、とはいかなくて、様々な仕事を兼任しているのが実情です。総務、経営企画、情報システム、採用、広報などの業務に携わっています。

様々な業界の中でもDX化が比較的ゆっくり進むことが多いのが製造業の中小企業ですが、藤原さんによって、VPN(=情報セキュリティ確保のため、特定の拠点間を仮想的な専用回線で接続する仕組み)の整備や、オンライン会議システム導入などのDX化が、コロナ禍以前に既に推進されていたとのこと。

Q:最近の採用状況はいかがでしょうか?

私が採用担当になった当初、新卒・中途共に採用にかなり苦戦していました。これはまずい、ということで、自社の情報発信力や企業イメージ向上のためにホームページを刷新することになり、その中で社員数名のインタビュー記事なども載せました。あとはふるさと島根定住財団さんに相談したり、地元の高校を訪ねて弊社のPRをさせてもらったりと、採用活動全体を強化した結果、その翌年の新卒入社者が一気に5名になりました。中途採用も年間5名まで増えましたね。

藤原さんを中心とした採用活動が功を奏し、数年間ゼロだったという採用人数が一気に増え、多くの仲間を獲得してより一層活気づいたゼンキンメタル。

少し珍しいケースとして、弊社には父親と娘さんが親子で同じ職場に勤務している事例や、兄弟で入社している事例があるんですよ。経営層の世襲は珍しくないにしても、それ以外だとあまり多くはないことですよね。縁故で入社したとかそういうことではなく、娘さんも普通に会社見学に来て、会社の雰囲気を見て、見学した中で一番入りたい会社だった、ということで、お父さんにも相談して了解を得たうえで入社してくれました。

実の親子が同じ職場で毎日顔を合わせる、というのは、その両方が自分の勤め先を「良い会社」だと思っていなければ難しいことのように思われます。家族に誇れる会社、誇れる仕事であるからこそ、入社を承諾されたに違いありません。

いいことだと思いますよ。私自身、常日頃から「自分の子どもを務めさせたいと思えるような会社にする」ことを目標に掲げています。弊社は現在創業25年余り、ちょうどこれからベテラン従業員の子ども世代が就職活動をする年代になってきたので、これからもそういう「親子入社」のようなケースが増えるかもしれません。

家族に自信を持って勧められる会社であること、それこそが疑いようもなく社員満足度を表す1つの指標になっているといえます。

Q:中途採用の場合、未経験者でもチャレンジ可能ですか?

弊社の中途採用は、ほとんど未経験者ですよ。前職も様々で、パティシエからの転職、なんて方もいるくらいです。その方は今溶接課の係長をやっています。「ものづくり」という共通点はありますので、やはりものづくりが好きな方で、あとは人柄が良ければ、経験を問わず採用しています。

ただし藤原さんいわく、未経験者歓迎とはいえ、金属加工業は決して容易な仕事ではなく、生半可な気持ちでのチャレンジは難しいとのこと。

誰でもすぐにできるようになる、というほど簡単な仕事ではないので、それなりの覚悟は決めて入社いただきたい、というのはありますね。ただ、金属加工って聞くと男性社会だと思われがちですが、女性も活躍していますよ。このあと、異業種からの転職で、今は溶接課で資格もバンバン取って頑張っている女性の話も聞けますので、ぜひ参考にしていただきたい。

ということで、早速その女性にお話を伺ってみましょう。
土屋真紀さんは、千葉県の出身で、現在入社5年目。業界全体でもまだ人数が少ない、女性の溶接の技術職として活躍中です。

Q.入社のきっかけは?

前職は成田空港の中にあるお店で接客業をやっていました。島根に興味を持つようになったきっかけは、知人からふるさと島根定住財団のことを紹介され、「島根移住」という選択肢を初めて知ったことにあります。いろんなことにすぐ興味を持つような好奇心旺盛な性格なので、移住イベントに参加したりして、どんどん島根のことが気になるようになりました。

島根県の中でも特に、雲南市に興味を持ったという土屋さん。雲南市役所の移住支援担当者が体験移住を勧めてくださったこともあり、試しにショートステイを経験したところ、すっかり町の雰囲気が気に入ってしまったとか。そこで雲南市への移住を前提に仕事を探し、これまで全く経験のない製造業であるゼンキンメタルへの就職を決めたそうです。

私はなんでも「悩むよりまずやってみること」をポリシーにしているんです。やったことのない業種、職種への挑戦に不安もありましたが、そこは持ち前の度胸で思い切って飛び込みました。

製造業未経験の土屋さんが最初に配属されたのは、品質管理部門。製造工程を終えた製品の出荷前検査を行う部門で経験を積んでいくうちに、やがて「自分もものづくりそのものに携わってみたい」という好奇心に突き動かされます。

1年半ほど前に、溶接課への異動を希望して、会社も私の希望を通してくださいました。溶接の仕事も当然初挑戦でしたので、周りの先輩方に日々色々と教わりながら、未熟ながらもなんとかやらせてもらっています。

技術・品質管理課から溶接課へのキャリア・チェンジは社内でも珍しいケースだそう。自分はまだまだ経験が足りないと話す土屋さんですが、昨年末には「TIG溶接」と「半自動溶接」の資格取得にチャレンジし、見事満点合格を果たされたとか。その裏には、地道でひたむきな努力の積み重ねがあったに違いありません。

Q.千葉県出身とのことですが、島根での生活はいかがですか?

こっちに住んでから、すっかり石見神楽のファンになってしまって。エンターテインメント・ショーとしての神楽ももちろん楽しいんですが、それ以上に地元のお祭り色が強い神楽が好きで。以前県西部の友人の家に遊びに行ったとき、どこからともなく神楽のお囃子が聞こえてきて、ふらっと地元の神社の神楽に立ち寄って、そのまま鑑賞することになったんですね。私のことを知っている人なんてひとりもいないのに、地元の方が自然と隣に座って、気軽にポンポンって肩を叩かれて(笑)。地域の方言で談笑している声に耳を傾けながら、リラックスして神楽の舞を楽しむ、これが最高なんです。

土屋さん撮影、石見神楽を代表する演目のひとつ「大蛇」の面

島根に根付く伝統芸能であり、地域の人々に深く愛される石見神楽を、地元の方々の中に自然と溶け込んで楽しんでいるという土屋さん。すっかり島根県民ですね。

さらに、同じくIターンでゼンキンメタルに入社した喜田浩昭さんにもお話を伺いました。技術・品質管理部に所属する喜田さんは入社前、大手電機メーカーに長く勤め、国内外の各拠点をあちこち転勤する生活をされていたとのこと。

Q:雲南市への移住のきっかけは?

妻が奥出雲町出身なのですが、両親が高齢になったこともあって、前職の早期定年退職制度を活用して移住することを考えました。ふるさと島根定住財団のUIターンフェアに参加して「くらしまねっと」に登録したのがきっかけで、ゼンキンメタルを紹介され、働かせてもらうことになりました。

製造業界で長年経験を積んでこられた喜田さんは、数回の面接を通じて、当時ゼンキンメタルで不足していた品質マネジメントに関わる人材に適任ということで、採用になったとか。現在は技術改善担当という役割を担い、前職での経験を活かしながら、同社の技術向上、品質向上に日々励んでいるそう。

Q:具体的にはどのような仕事ですか?

会社の中期経営計画に沿って、製造現場の人たちの働きやすさを追求したり、より効率の良いものづくりのための改善提案をしたり、といった仕事になります。加工の仕方を共同研究したり、より効率よく作業するためのシステムの導入を検討したりしています。

喜田さんの製造業における経験値の高さは折り紙付きで、インドネシア、メキシコなどへの赴任経験をお持ちです。それだけ世界を股に掛けるほどの大きな組織の中で働いていた喜田さんの目に、ゼンキンメタルという会社はどのように映っているのでしょうか。

部署内での打合せ風景

ここの社風として感じられるのは、皆さんが割と自由に発言しやすい環境というところですね。私自身、何でも試してみたくなる性分なので、もっとこうしてみたらどうか?ああしてみたらどうか?とつい口に出してしまうのですが、そうやって発言すること自体許されているから言いやすい、と感じます。もちろん、私の提案通りにやってうまくいくことばかりじゃないですけれど。

そうですね、私も結構意見は遠慮せず言ってしまう方ですが、異なる部門間で意見が合わないこともあったりしますけど、別に喧嘩してるわけではなくて、お互いもっと良くしたい気持ちがあるだけなんで。意見を言い合えて、やり方を変えてみて、失敗したり、成功したり、その繰り返しで次第に会社全体が良くなっていけばいいかなって思います。

県外からIターンで入社されたお二人に共通する認識として、「ゼンキンメタルは風通しの良い会社である」ということが見えてきました。

Q:会社の好きなところを教えてください。

資格取得やスキルアップのための研修受講などを、しっかりバックアップしてくれるところですね。前向きなチャレンジを応援してくれる風土があるので、若い方にはどんどん挑戦してもらいたいなと思います。それと、冬の休日は思い立ったらすぐに雪山にスキーに行ける環境がとても気に入っています。

車でわずか数十分、近場ですぐスキーを楽しめるのが魅力

私も「資格取りたい」って言ったら、会社からすごく応援してもらえて。やる気がある人は挑戦を後押ししてくれる雰囲気があるので、有難いです。あと、先輩には本当に高い技術力をもった方が多いので、学べる部分が大きいです。技術力を伸ばしていきたい方にとって、とても良い環境だと思います。

元々島根にルーツを持たないお二人が、今やすっかり島根に根を張って、それぞれの仕事とプライベートを謳歌している様子がひしひしと伝わってきました。

未経験でもやる気次第で様々な仕事にチャレンジできるチャンスがあり、その道のプロを目指すことができるゼンキンメタル。
年齢、性別、職歴、経験年数を問わず、社員一人ひとりが会社をもっと良くしよう、より良いものづくりをしよう、という高い意識を持ち、時に意見をぶつけ合いながらも共に向上していこうとするこの会社の新たなメンバーに、あなたも加わりませんか?

溶接課の先輩社員から技術指導を受ける土屋さん

(2022年2月取材)

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