株式会社バイタルリードの求人情報
手掛けるのは「地方だからできる仕事」。そこに暮らす人たちがもっと笑顔になれるよう、「交通」で地域を支えます。
学術研究,専門・技術サービス業(島根県 出雲市)
出雲市駅から車で約7分、街の中心地から程よく離れたこの場所にオフィスを構えるのは、「地域未来牽引企業」や「しまね女性の活躍応援企業」などにも認定される、株式会社バイタルリード(以下、バイタルリード)。「交通」に特化し、まちづくりや地域の課題解決のために心血を注ぐバイタルリードで、仕事の面白さややりがい、採用にかける想いについて教えていただきました。
まず初めにお話を伺ったのは、代表取締役の森山昌幸さん。バイタルリードでは建設コンサルタント、システム開発、旅行業を営んでおり、どれも「交通」に特化しているそう。 コンサルティングとしては主に公共交通の「計画」を立てる仕事をしているそうですが、「交通計画」とは、いったいどのようなものなのでしょうか?
「交通計画」と一言でいっても、ハード面の計画もあれば、ソフト面の計画もあります。 例えば、出雲大社前の神門通りをどのように整備するか、地元の方への説明会やワークショップも含めて計画し、実施するようなケースがハード面の交通計画です。
Q.ソフト面の「交通計画」とは?
バスや乗り合いタクシーなどの公共交通をどのように運営していくか…といったことですね。不採算だからとやめてしまうのは簡単ですが、そうすると車を利用できない人が生活できなくなってしまいます。「じゃあどうすれば良いのか?」を、地域の状態に合わせて考え、ご提案しています。
単にスムーズな運行を実現するだけでなく、その地域に住む人の生活まで親身になって考え、向き合っているバイタルリード。その創業の経緯はどんなものだったのでしょうか?
私は元々出雲市内の建設コンサルタント会社で技術者として働いていて、その時に2年ほど広島大学大学院で博士の学生をしていたんです。その時の講義で公共交通の話があり、「これは面白い!」と、すぐに1人でヨーロッパに視察に出かけて、こういう街をつくっていく仕事がしたい!と思ったのが起業のきっかけですね。
当時のできごとをいきいきと語る森山社長の目からは、情熱や仕事の楽しさが伝わってくるようでした。
私たちの生活と密接に関わる交通業界は、今どのような状況にあるのでしょうか?引き続き森山社長に教えていただきました。
今、交通業界には100年に一度の大変革が起きているんですよ。 車に関しては自動運転や、電気自動車、インターネットを介して車と人、車と車を繋げたり、シェアリングエコノミーも進んでいます。公共交通機関でもそういう乗り物を使ったり、データ連携とか色んな動きが出ていますね。 そういう目まぐるしく変わる状況の中で、私たちは新たな価値の創造と、地域貢献を実現していかなければなりません。
交通業界が大きく変わろうとしている過渡期の今、「地方の交通」ではまた別の課題が出ていると森山社長は続けます。
大手企業が考えることは都会発想なんです。でも田舎の実情はそうじゃない。その地域に合わせたサービスや仕組みを作っていかないといけません。 例えば、地域の人の生活に交通サービスが必要だとしても、それを提供する交通事業者の運営が厳しいことも多々あります。そうなると、次世代を担う若者の雇用も難しくなりますよね。 そういった根本的な課題から考えていかないと、地方に持続可能な交通環境は作れないんですよ。
バイタルリードの仕事は、「交通」という観点から地域の将来をそのもの考えること。難しい問題ではあるが、だからこそやりがいと使命感にあふれています。 その問題に取り組む技術者を育成するため、バイタルリードでは社内技術の発表会や学会への参加も積極的に支援しています。学会に出ることにより、様々な大学との横の繋がりができ、更なる技術向上や新たな仕事の受託などに繋がるケースもあるのだそう。
元々起業のきっかけが大学ですから、大学や学会とはとても近しい関係です。研究会に呼ばれたり、調査に協力することもありますよ。 それから、仕事をしながら博士課程を取る社員に費用の補助もしています。向上心がある方や、知識を探求するのが好きな方には楽しい環境を与えられるんですが、嫌いな人にはつらいかも(笑)。
バイタルリードで働く社員の中にはUIターン者も多く、中には東京都出身で国土交通省のキャリア官僚をしていた方も。森山社長の理念に共感して共に働く仲間に加わったのだと、当時のエピソードを教えてくれました。
また、バイタルリードは「しまね女性の活躍応援企業」や「こっころカンパニー認定企業 ※1」にも選ばれており、女性活躍の推進にも積極的です。
(※1)こっころカンパニー認定企業
仕事と子育ての両立が図られる職場環境づくりを推進するため、子育て中の従業員を積極的に応援する企業を、島根県が「しまね子育て応援企業 こっころカンパニー」として認定したもの。
女性の働きやすさには相当力を入れています。既存の制度で対応できない時は個別対応したり、制度を更新します。それができるのが中小企業の良さですからね。 いつだったか、子供の夏休みの学童保育で9時半からしか出社できないスタッフがいたので、夏休みの期間中だけ出社時間をずらしたこともありました。
職場環境の整備については森山社長からの発案だけでなく、総務部からの提案も多いそう。最近は病児・病後児保育をした時の医療費を会社が負担する制度を作るなど、会社一丸となって、より良い環境づくりを進めています。
うちには委員会制度というものがあって、全員が5つの委員会のどれかに入っています。 スタッフの顔の見える化を目的として、月に1回、「仲良しランチ会」を企画する「見える化委員会」、社内レクリエーションや社員の子供たちが会社訪問する子供参観日なんかを計画する「ふれあい委員会」など、面白い活動をしていますよ!
続いて、森山社長に採用面について伺いました。
Q.コンサルティングは未経験でも大丈夫ですか?
大丈夫です。我々の仕事は制度や法律も変わるし、技術は進化するし、一生勉強です。コンサルもITもそうですけど、いつでも最新の情報を持っておかなければいけないし、お客さんよりも常に技術は上じゃないといけません。入社前の経験よりも、入社後に学び続ける意欲の方が重要だと思っています。
Q.入社後はどんな研修がありますか?
研修内容はその人に合わせて決めています。基本はメンター的な先輩社員を付けて、その人と一緒に行動して実務を覚えたり、セミナーに出ていただいたりですね。
学ぶことを心底楽しんでいる様子の森山社長。バイタルリードが活気に溢れているのは、森山社長の前向きな学びの姿勢が周りに広がり、会社のカラーとして根付いているからなのかもしれません。
最後に、森山社長から求職者の方へメッセージをいただきました。
大学で学んだことを地元に帰ったらいかせない…という話を聞くこともありますが、地方であっても我々のように専門分野に特化した会社もあります。島根でも交通という目まぐるしく変化している業界の、最先端の真っ只中で仕事ができるので、そういう部分に興味を持ってもらえればと思います。良い仕事を楽しみながらやっていきましょう!
続いて、総合計画部で自治体などの交通計画や都市計画のコンサルティング業務を担当している福井のり子さんにお話を伺いました。静岡県出身で大学は岡山県と、島根には縁もゆかりもなかったという福井さん。バイタルリードとはいったいどのように出会ったのでしょうか?
大学院まで都市計画に関する勉強をしていて、交通とかまちづくりを専門にできる仕事を探していました。大手コンサル会社やシンクタンクの求人情報も見たんですけど、ピンと来るところがなくて。 そんな時に、大学院の研究室で連携していたバイタルリードの話を聞いて面白そうだなと思ったのがきっかけです。
大学院の時から「いつかは子育てを…」と、自分の将来もしっかり見据えていたという福井さん。バイタルリードは、自分の目指したやりがいある仕事ができるだけでなく、転勤がなく腰を据えて働ける職場環境だったことも、就職を決めたポイントの1つだったそう。
Q.どんな時に仕事のやりがいを感じますか?
まちづくりとか都市計画ってスパンの長い話になるので、目に見えて変わってくることってあまりないんですよね。だから難しいところですが、お客さんやその先にいる地元の方と良い関係が作れたりすると、やってて良かったなと感じますね。
Q.特に印象に残っているお客さんとのエピソードは?
たくさんあり過ぎてどうしよう(笑)。仕事をする中でお客様から教えられることってすごく多くて、そういう意味では、入社から間もない時に担当した安来市の公共交通の計画が思い出に残っています。 当時いらっしゃった女性の課長さんと一緒に仕事をする中で、厳しいことも含めて本当に色んなことを教えていただきました。
福井さんが担当した仕事の中には、出雲大社前の神門通りの整備もあったそう。長期的な計画になることが多い都市計画の中では珍しく、スピード感のある事業で貴重な体験ができたと、当時のエピソードも教えてくれました。
神門通りは、人と車が譲り合う「シェアドスペース」という考え方で設計されていて、歩道と車道の境目がはっきり分かれてないんです。全国的にも珍しいので、それを地元の人に受け入れてもらえるかどうかが課題の1つでした。
Q.事業計画だけでなく、住民の方との調整もバイタルリードが?
そうですね。「住民の方からの理解を得て、事業が上手く進むよう支援する」というのがうちの業務でしたから。それから、せっかく来てくれた観光客の方が工事中で残念な想いをしないように、事業の説明や観光案内をする拠点を作ったりもしました。 あと、道路を設計したデザイナーさんとの仲介や支援も。本当に色々やりました。
住民や観光客など、この場所に関わる様々な人の立場や気持ちに寄り添って、きめ細やかなサポートをしていたという福井さん。苦楽を共にした当時の関係者の方々とは、今でも良い関係を築いているのだとか。
「この仕事は答えがないから難しいし、奥が深い…」と、しみじみ語る福井さんの表情は真剣そのもの。入社してから懸命に走り続け、バイタルリードの第一線で活躍する福井さんがつぶやいたその言葉は、地域の未来を担う責任感の強さと、やりがいをものがたっているようでした。
バイタルリードの第一線で活躍する福井さんに今後の目標を伺ってみました。
育児と仕事の両立ですね。今年の1月に復帰したばかりなので、今は時短勤務で働いています。元々管理職は時短勤務の制度がなかったんですけど、復帰前にきついなと思って社長に相談したら制度を整えてくれました。
バイタルリードでは、女性の育休取得率100%、今後は男性の育休取得も進めていく計画とのこと。出産前は仕事に没頭していたという福井さんに、産休・育休を経て復帰したからこそ感じる、女性の働き方について伺いました。
出産前にがむしゃらに働いて頑張っていたから、復帰した今が楽なのかな…と思います。なので、個人的には若い子はバリバリ仕事をすれば良いと思うんですよ。若いうちに技術を磨いたり勉強して、将来もしっかり働ける土台を作っておけば、仕事と子育てを両立しやすいのかなと。実際に産休明けで働いてみてそう思います。
迷いのない福井さんの言葉は、働く女性を力強く後押ししてくれるようでした。 最後に、求職者の方に向けてメッセージをいただきました。
頑張りたい人は頑張れるし、田舎だけど都会に劣らない仕事ができる業界です。むしろ「田舎だからこそできる」仕事もたくさんあります。 技術を磨きたい方も、家庭とのバランスを取りながら働きたい人も大歓迎ですので、ぜひバイタルリードで一緒に働きましょう!
最後に、情報システム部の山本典子さんにお話を伺いました。山本さんは雲南市の出身で、今年Uターンで島根に戻ったそう。それまでは、東京や横浜でシステム開発を行っており、これまでの経験をいかしてバイタルリードで活躍しています。
お子さんが小学校に入る前に島根に戻り、地元で子育てしたいと考えていたという山本さん。実際にUターン就職をしてみてどうだったのでしょうか?良かったこと、不安だったことなど、率直に感じたことを教えていただきました。
Q.Uターンするにあたって不安はありませんでしたか?
正直、収入が下がるのが心配でした。Uターンして確かに収入は減ったんですけど、家賃が半分以下になったり、食品が安かったり、同僚から野菜のお裾分けをもらったりと、助かることも多かったんです。共働きですし実際のところそんなに困ってないですね!
Q.子育ての環境として、島根はどうですか?
良いと思いますよ。こっちも市街地は保育園が空いてなかったんですけど、フルタイムで子どもを預かってくれる幼稚園があるので、すんなり入園先が見つかったのはありがたかったです。
ご家族も島根への移住に満足しているという山本さん。子育てしながら仕事をするには、休みの取りやすさや残業時間も気になるところですが、現在の労働環境はいかがでしょうか?
残業時間は部署によって違いますが、システム部では無理なスケジュールを組まないよう、管理職の方が案件の調整をしてくれるので、18時前に退勤する人が多いですね。 今はコロナをきっかけに在宅勤務ができるようになりましたし、在宅勤務中に会議が多い時は子供が邪魔しないよう実家に行って仕事をしたり。選択肢が増えました。
バイタルリードでは女性が働きやすい制度を整えるだけでなく、無理のないスケジュール管理など、気遣いと思いやり溢れる対応が社員の皆さんにも浸透しているよう。
続いて、山本さんにバイタルリードを選んだ決め手について伺いました。
私の場合、プログラミングは20代までしかしていなくて、30代になってからは管理系の仕事とか、上流工程を担当していました。その経験をいかそうと思うと意外と選択肢って少ないんです。やはり手を動かせる人を求めている会社が多いので、「仕事を見つけてUターンできるのかな…」と心配していましたが、バイタルリードでそういう人材の募集があったので。
Q.今はどんな仕事をしていますか?
今は2つ案件を担当していて、両方自治体系のシステムの要件定義ですね。実際にそのシステムを使う人とお話をしながら仕様を決めています。
早速2つの案件を担当し、日々仕事に邁進している山本さんですが、島根で仕事をしていて、これまでとのギャップを感じる部分はあるのでしょうか?
そうですね、都会だとビジネスメールは本当にビジネスメールなんですけど、こっちだとちょっと心がこもったメールが多い気がします。方言とか、「~~していただけると喜びます」という島根特有の言葉が出るとほっこりします(笑)。会議中もそうですね。
人の温かみを感じながら仕事ができるのも地方の良さであり、このちょっとした心遣いや優しさが、やりがいや仕事を頑張る活力に繋がるのかもしれません。
転職前は大規模な金融システムに関わっていたという山本さん。バイタルリードではどんなところに仕事のやりがいを感じているのでしょうか?
以前携わっていた金融システムは利用者が何百万人という規模だったので、責任感はあったんですが利用者が見えづらいところがありました。その点、今の仕事は小規模かもしれませんが、使う人の顔が見えるので手ごたえを感じやすいのかなと。地に足を付けて仕事ができている感じがします。
都会で大規模なプロジェクトに関わった経験がある山本さんだからこそ感じた、「仕事の規模とやりがいはイコールではないこと」、「地方だからこそ、手ごたえを感じる仕事ができること」は、UIターン就職の醍醐味と言えるのかもしれません。
最後に、求職者の方にメッセージをいただきました。
私は子どもが小さくて転職できるかどうか不安だったんですが、島根ではそんなこと関係なく受け入れてもらえました。子どもがいるからといって、あきらめる必要は全くないと思います!
母であり、技術者でもある山本さんの力強いメッセージは、UIターン就職を目指す子育てママたちを後押ししてくれるようでした。
交通に特化し、地域の課題解決を図る熱い技術者集団バイタルリードが手掛けるのは、「地方でもできる仕事」ではなく、「地方だからできる仕事」。そこに暮らす人たちがもっと笑顔になれるよう、志を共にしてくれる仲間を募集しています。
(2020年10月取材)