有限会社邑智郡浄化槽センターの求人情報

浄化槽を通して美しく持続可能な社会を作る
直接的な地域貢献に繋がる仕事に携わりませんか?

サービス業(島根県 邑智郡 川本町)

島根県のほぼ中央に位置し、邑南町、川本町、美郷町の3つの町からなる邑智郡。島根県で最も広大な面積を持ち、中国地方最大の河川である江の川と、そこに合流するいくつもの川が流れるエリアです。
そんな邑智郡川本町にある有限会社邑智郡浄化槽センター(以下、邑智郡浄化槽センター)は、名前の通り浄化槽の点検や保守、し尿の汲み取りを3代に渡って続けている企業です。

2019年に建てられた江の川を望む社屋で、これまでとこれからについて、代表取締役社長の上里(あがり)康弘さんにインタビューしてきました。

Q.事業内容と会社の成り立ちについて教えてください。

各ご家庭にある浄化槽の点検・保守・清掃と、し尿の汲み取りを行っています。浄化槽としては2000件以上、汲み取りも含めると2200件以上の現場があり、それを弊社の社員たちが順番に回って業務に勤しんでくれています。

浄化槽・汲み取り合わせて2200件以上というのは、地域の同業他社と比較しても多いとのこと。道路や立地の兼ね合いもあるため、均等には割り振れず、事業を拡大する中で今の形となったそう。

弊社の設立は1990年のことなので、まだ30年ちょっとしか経っていないんです。私の祖父が個人事業として小規模に始めたのですが、徐々に浄化槽の数が増えていくにつれ忙しさも増していって。
父が会社を引き継いだ後、法人化し現在に至ります。

一度は地元を離れた上里社長ですが、ある出来事をきっかけにUターンし、家業を継ぐ決意をしたそう。

将来家業を継ぐにしても、一度は社会に出て会社というものを知っておかなければならないと思い、高校卒業後は大阪で就職しました。
戻ってくるきっかけになったのは1995年に起きた阪神淡路大震災です。多分、あの震災がなかったら戻っては来なかったんじゃないかな。
そこから8~9年ほど経って、私が40歳ぐらいのときに社長を引き継ぎました。

Q.具体的な業務内容を教えてください。

浄化槽の保守・点検というのは、各家庭や施設にある浄化槽が正常に機能しているか定期的にチェックを行い、問題が発生している場合はその対応にあたります。と言っても、施工や修理は我々の領分ではないため、浄化槽の所有者に施工業者、場合によっては電気工事業者も紹介して、引き継ぐかたちをとっています。

浄化槽の清掃やし尿の汲み取りは、いわゆるバキュームカー(衛生車)を使って行います。
まず浄化槽に溜まった汚泥を吸い上げ、槽内を洗浄します。その後、給水車できれいな水を張り直し、吸い上げた汚泥やし尿を、処理場へ運び入れます。

「地域住民の快適な暮らしを守る」、「地域のきれいな水を守る」ことを社訓に掲げている通り、下水のない地域には必要不可欠な仕事。上里さんは、持続可能な社会を築いていくにあたって、仕事を遂行し続けることが自社の役目であり使命だと言います。

その一方で、この仕事ゆえに抱える課題もあるのだそう。

浄化槽やし尿と言われると、どうしても「汚い」というイメージが先に立つ。それもあってやっぱり就職先としては敬遠されるのが正直なところなんですよね。
でも、実際にはそういうイメージとはかけ離れているんです。というよりもかけ離れるように邑智郡浄化槽センターではクリーンさを徹底するようにしています。

「仕事をするときはきれいな制服で。汚れるのはホースの中だけ」という上里さん。作業中に服が汚れるようなことはまずもってないのだそう。臭気は避けられませんが、裏を返せばそのくらいのもので、不衛生な環境に体ごと飛び込むようなことはないと言います。

しかしイメージは大事。社屋はもとより、仕事で使う点検車や衛生車の清掃をこまめに行い、制服を年2回支給する徹底ぶり。社員のみなさんも「クリーンな環境と仕事」だと口を揃えますが、ネガティブイメージを払拭しづらいのが現状のようです。

Q.現在の社員構成について教えてください。

従業員は10名で、男性8名、女性2名の構成です。女性は総務、男性は全員が現場作業を担当しています。
年齢層は20代が3名、30代が3名、40代が4名となっていて、平均年齢がやや高い傾向ですね。このあたりも課題と感じているところです。

Q.入社後のフローについて教えてください。

少人数の会社なので入社後の研修はなく、実地で先輩について現場を回り、サポートをしながら仕事を覚えていく流れになります。
ただ、主に国家資格の浄化槽管理士と浄化槽技術管理者の2つを取得してもらうようにしていて、その資格試験のために大阪や福岡へ2週間ほど行かせますが、それがある意味で研修になっていますね。冬場は積雪で浄化槽の点検等ができないこともあるので、主にその時期に行ってもらうことが多いです。

上里さんいわく、未経験の入社でも、1年経てば基本的な業務は習得できているとのこと。そこから段階的に任せる範囲を広げていき、おおよそ5年の経験を積んだあと独り立ちさせていくそう。独り立ちまでの年数は仕事の覚え方に左右されますが、概ねはこの流れになるとのことでした。
長い下積みのようにも思えますが、実地で適切な衛生管理や機械操作などを学び、安全に業務を遂行できるようにするためにも、手厚くサポートをしているのだそう。

Q.求職者の方々に伝えておきたいことはありますか?

邑智郡浄化槽センターは働く環境もクリーンに努めています。
勤務時間は8時~16時45分で残業は全くなく、さらに完全週休2日制なので、ワークライフバランスはとてもいいと自負しています。
また、川本町に居住する場合、住宅手当として家賃の半額が会社負担です。資格取得の費用面も支援しています。
私たちの仕事は地域の方の生活を守る重要な役割を担っています。仕事のイメージにとらわれず、ぜひ邑智郡浄化槽センターの仲間として邑智郡へ来てほしいと思っています。

休日がしっかりあり、残業はない。それでいて仕事における手厚いサポートがあるというのは、なかなかの好条件ではないでしょうか。

それでは、実際に働いている人の声を聞いてみましょう。
入社13年の木曽健太郎さんにお話を伺いました。

木曽さんは元々、江津市の出身。地元の高校を卒業後に大学進学のため三重県へ。三重中京大学卒業後はUターンし、浜田市の会社に就職。配置薬営業の仕事を経て、邑智郡浄化槽センターへ転職されたそう。入社のきっかけは何だったのでしょうか?

配置薬営業の仕事をしていたとき、担当していた区域が邑智郡浄化槽センターのある川本町を中心としたエリアだったんですが、そのときに回っていたお宅のひとつに社長の家がありまして(笑)
まあ、それは直接的なものではなかったんですが、配置薬営業の仕事を辞めたあとに、知人の親御さんと社長の奥さんが知り合いで、そこを経由して「働かないか?」とお誘いを受けたのがきっかけでした。

浄化槽の仕事ということを聞いて、多くの人同様にネガティブイメージがあったという木曽さんですが、仕事の話を聞くにつれ、そんなことはないと知ったそう。

知らないからこそイメージだけで判断していましたが、実際は汚いとかそうしたものがほぼ無縁。それに誰かがやらなければならない大切な仕事だと思いました。大仰な言い方になってしまいますが、地域に少しでも貢献できればと思って、入社を決めました。

それから13年。今ではすべての仕事をひとりで行っているのでしょうか?

未経験スタートで本当にわからないことばかり。先輩社員について回って仕事を覚えていきました。
13年経った今は、一通りの仕事はやれるようになったと思います。といっても携わっていない仕事もあって、「集落排水(家庭単位ではなく集落単位での集合処理設備)」というのがあるんですが、これは別の社員が担当しているため、まだやったことがありません。いずれ仕事が回ってくると思っています。

ちなみに、現在担当している現場は300件以上あるとのこと。とても忙しいのでは?

いえ。短期間でその件数をこなしていくというわけではないので、しっかりと定時で退勤できるくらいの仕事量です。自分自身でどのように回るのか予定・計画を立てて、それ通りに進めていきます。

Q.実際に働き始めてイメージと違ったことは他にもありますか?

細かいところだと作業時間の短さが挙げられます。浄化槽の保守・点検は1件あたりの時間がちょっと長いこともありますが、清掃や汲み取りは10~25分程度で完了することがほとんどなんです。どちらかといえば担当エリアを車で回っている時間のほうが長いくらいなんですよ。

確かに、複数の現場を回る必要があり移動時間が何度も入ってくるので、作業時間より移動時間が長いというのは当然なのかもしれません。
そして、車の運転に関連して、思わぬこともあるそうです。

仕事上、必然的に中型自動車運転免許が必要になってきます。
2007年6月2日改正前に普通自動車運転免許を取得している人は問題ないのですが、それ以降に自動車運転免許を取得した人は新たに取得しないといけません。

普通自動車運転免許はいざしらず、中型自動車運転免許を所持していることが条件になってくると、それなりにハードルが高くなりますね。会社としては中型免許の取得がやっぱり義務なのでしょうか?

義務付けているわけではありませんが、できれば入社前に取得してほしいというのが率直なところです。運転免許は個人に紐づくため、取得に関わる費用の補助はしていないのが申し訳ないんですけど。

それと、衛生車は全てMT車なので、AT限定免許だと運転できません。仮に運転資格を持っていても、普段運転するようなサイズ感ではありませんから、入社当初に運転することになったときは・・・怖かったですね(笑) マニュアル車運転の練習が必要でした。

やや苦笑いしながら、入社当初のマニュアル車運転の苦労を思い出していた木曽さん。
最近は配送に関わるトラック運転手の不足もあって、即戦力となる中型免許所持者を雇用したい業種も多いため、取得しておいて損はないのかもしれません。

Q.ワークライフバランスはいかがですか?

とてもいいと思っています。勤務時間もそうですが、残業がないので、オンとオフのメリハリがしっかりつきますし、完全週休2日制でプライベートの予定も立てやすいです。

ワークライフバランスの良さについて、明るい笑顔で答えてくれた木曽さん。プライベートの予定が立てやすいとのことですが、なにか趣味でもおありなんでしょうか?

バイクを運転するのが好きで、よくツーリングしています。
わざわざ乗るための理由を作って、目的地を決めて、「あーちょっと行くか」っていうテンションなんですけど。
そろそろ連休を使ってバイクで遠出する、旅行めいたこともしたいなと思っています。

Q.求職者の方へメッセージをお願いします。

繰り返しになりますけど、「汚い」イメージがあるかもしれませんが、そんなことは本当に全然ありません。恐らくし尿汲み取りから来ていると思いますが、浄化槽の普及に伴い、最近はその件数がどんどん減っています。年を追うごとにイメージから遠ざかっているので、安心して仲間に入ってくれればと思います。
社員同士の仲もいいですし、社員数が少ないため濃い付き合いができて、同僚というよりも仲間、友人のような関係になれます。とても働きやすい環境なので、ぜひ一緒に働きましょう。

多くの人が抱くイメージとは違うと力説する木曽さん。まったくの異業種から転職してきた人だからこそ、より固定観念を払拭したいという思いがあるのでしょう。
また、先にも述べていたように「誰かがやらねばならない仕事」であり、地域の人たちの暮らしに貢献できているという実感がとても強いからこそ、大きなやり甲斐に繋がっているのだと木曽さんは言います。

続いて、同じ業務に従事する渡邊伸也さんにお話をお伺いしました。
渡邊さんは2004年に江津市へ編入された桜江町の出身。江津市内の高校を卒業後、ミネラルウォーターの製造工場に就職。半年ほどで保温工(熱絶縁工事)の仕事に変わって3年ほどで調剤薬局に転職。調剤事務の職を10年ほど経験して、邑智郡浄化槽センターへ転職されたとのこと。
果たして、どんな経緯で入社されたのでしょうか?

近所に住んでいる先輩がここで働いていたんです。元々仲が良くて、あるとき仕事の愚痴を言ってたら「だったらもう、うちに来い!」みたいな感じで誘われまして。私自身は愚痴を言いつつも先輩に相談しているつもりだったんですよね。まだ辞めるつもりはなかったんですけど、あっという間に社長に話が通ってしまって。

まさかの既成事実の積み上げで入社することになった渡邊さん。そんな経緯で入って現在2年目とのことですが、思いがけない転職に後悔などないのでしょうか?

いやいやいや! 逆に転職してきてよかったです。
土日祝日が完全に休みですから、転職したことで自分の時間も取れるようになりました。前職は働き詰めだったので・・・。
調剤事務の仕事は残業もですが、休みが全然取れませんでした。患者さんの対応にいっぱいいっぱいで、事務としての仕事ができずに残業。病院の休診日は回せていない分をこなす必要があって休まずに仕事、という感じだったんですよね。

晴れ晴れした顔で転職してよかったと語る渡邊さん。自分の時間が取れるようになったことで、趣味も増えたそうです。

バイクの免許を取りました。
これまでは仕事に忙殺されていたり、子どもがまだ小さかったりで、趣味という趣味ができませんでした。
転職して時間が取れるようになって、バイクの免許を取ったことで趣味と言えるものができ、休みの日に家族と過ごす時間もできて、本当に良かったなと心から思います。

先輩社員にあたる木曽さんもバイクが趣味ということで、2人で連れ立ってツーリングに行くこともしばしばなのだとか。また、渡邊さんは邑智郡一帯に伝承される大元神楽の舞手もしており、前職時は時間がなくぶっつけ本番で舞うことも多かったそうですが、転職後はしっかり練習にも参加できるようになったと笑顔で教えてくれました。
転職したことでワークライフバランスが劇的に改善された好例ではないでしょうか。

Q.入社当時と比べて仕事に変化はありましたか?

入社から2年経って、自分のできる範囲がどんどん広がっていると感じています。入ってからしばらく、割と最近まで助手メインでしたが、少しずつ作業を任されることが増えてきて、成長を実感できています。その実感がやり甲斐にも繋がっていますね。
入社当初は人手不足もあって、目まぐるしい日々だったと思うんですが、ようやく周りが見えるようになってきました。

転職で生活にも大きな変化が起き、公私共に慣れていかなければならない日々は大変だったのではないでしょうか。振り返りながら話す渡邊さんの表情に、いろいろな想いが感じられました。
そんな渡邊さんですが、今後の目標は先輩社員と同等の仕事が、なるべく早くできるようになることなのだそう。しかし慌てることなく、目の前の仕事を粛々とこなし、自身の成長に繋がるようにしていきたいと語ってくれました。

Q.求職者の方へメッセージをお願いします。

社長も木曽も話していましたが、この仕事ってあまり印象良くないですよね? 汚い、臭いというイメージがすごく先行していると思うんです。私も入社するときまではそうでしたから。でも、実際に入ってみるとそんなことはなかったですし、案外臭いも大丈夫だったんですよね。
仕事が合っているかどうかは、まずやってみないとわからないことなので、まずは先入観を持たずに一歩踏み出してもらえればいいと思います。

仕事との相性は経験しないとわからない。先入観を持たずに一歩踏み出す。
異業種を長く経験してきたからこそ出てくる言葉の重みがありました。

最後に、どんな人と一緒に働きたいかを上里社長に訊ねてみました。

少人数の会社だからというのもありますが、自発的に考えて動ける人が来てくれたらと思っています。多くのものは求めませんけど、社員全員がそういう意識で働いてくれているので、同じ方向を向いて仕事ができるほうがいいと考えています。
そういう意味では、一度外に出て経験を積んできた人のほうがいいのかもしれないですね。

実際に上里さん自身が外に出た経験があり、現在会社で働いている2人の息子さんたちも敢えて県外に送り出し、外での経験を積ませてきたからこその持論なのでしょう。
地元で生まれ育ち、地元だけで暮らしていくだけでは視野が狭くなると考えているからこそ、出てきた言葉なのではないでしょうか。
話を聞くうちに、邑智郡浄化槽センターが社訓に掲げる「地域住民の快適な暮らしを守る」、「地域のきれいな水を守る」という役割・使命を果たすために、外の経験を持つUIターンの人々を望んでいるということが伝わってきました。

(2023年12月取材)

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