メニックス株式会社の求人情報
“まだ世の中にないもの”を生み出す究極のクリエイティブ職。「空間認識能力」を活かして未経験からプロへ!
機械設計業(島根県 松江市)
松江城にほど近い観光スポット・京店商店街から徒歩30秒の場所に、メニックス株式会社島根事業所(以下、メニックス)が入るオフィスビルがあります。周囲は観光シーズンになると多くの観光客で賑わうレトロで風情あるエリアですが、この場所でメニックスが主に手掛けるのは、2D・3DのCADシステムを使って行う「機械設計」というメカニックな仕事です。
機械設計とは、機械が動く仕組みを設計する仕事であり、頭の中で思い描いたアイデアを製品という形にする仕事でもあります。半導体製造装置から自動車製造の機械まで、多様な業種の幅広い製造品目に合わせた機械設計を行っているメニックスでは、機械設計のスペシャリストが多く活躍しています。
しかしながら、必ずしも機械設計の知識や経験がなくとも、また根っからの理系でなくとも、メニックスで機械設計エンジニアとして活躍するチャンスは十分にあるといいます。実際、中途採用での未経験者の割合は少なくなく、入社後の研修体制や、経験豊富な先輩の熱心な指導により、一人前のエンジニアへと成長していける環境があるとか。
まず初めにお話を伺ったのは、業務企画部・技術3部の統括部長である北岸英次さんと、機械設計1部/2部・業務管理部の統括部長の水上恭宏さんのお二人です。お二人とも普段は滋賀県近江八幡市にある本社にお勤めでいらっしゃいますが、2年前に新設されたこの島根事業所の運営・管理のため、頻繁に松江に来られるそう。
Q.御社の主な事業内容は?
弊社は機械設計を請け負う会社です。設備メーカー様、装置メーカー様が製造する機械の設計部分だけを、いわゆるOEMのような形で請け負っています。ですから、弊社で設計した機械に「メニックス」の名が刻印されることはありませんが、様々な製造の分野において、弊社が設計した機械が稼働していることは確かです。
OEMとは本来“他社ブランドの製品を製造すること”を指しますが、メニックスは“他社ブランドの製品を製造する機械を設計する”会社である、ということになります。近年、あらゆる製造業でオートメーション化が進められていますが、そのような製造の現場で活躍する多種多様な自動装置の設計を行っているのがメニックスです。
Q.主にどのような機械の設計をされるのですか?
例えば携帯電話の中に入っている半導体を製造する装置ですとか、自動車の溶接をする機械ですとか、食品メーカーの製品を梱包する機械などがあります。最も多いのは半導体製造装置ですかね。その他にも様々な分野で使われる装置の機械設計を受託しています。
多様な業種の機械設計を手掛けることによって、個々の業界の景気の浮き沈みに左右されることが少なく、経営が安定しやすいというメリットがあるとか。この「特定の分野に絞ることなく、様々な業種のクライアントからのニーズに応える姿勢」を保ち続けたこともあって、メニックスが受託する仕事の数は年々増加しています。
設計を請け負う機械の種類を広げていくのは容易ではないように思えますが、どのようにしてクライアントを獲得してきたのでしょうか。
基本的には大阪などで開催される展示会に出展して、こんな機械の設計で困っている、というご相談や、人手が足りないのでこんな機械が欲しい、といった相談に対するご提案をする形で、新たな仕事を獲得しています。その際は、これまで手掛けたことのない分野の設計のご相談であったとしても、できるだけ積極的に受けさせていただくようにしています。そして依頼された仕事にしっかりと対応させていただき、お客様のご期待に応えることで信頼していただきながら、少しずつ実績を積み重ねてきました。
実際、島根拠点で手掛ける設計業務については、そのような形で受託した新しい分野の案件の割合が高いとのこと。
今は日本全体で人材不足が深刻ですから、オートメーションによる省人化を図るメーカーさんも非常に多いです。そういう意味では、今の慢性的な人材不足は弊社にとって追い風でもあり、一方で自社のエンジニアを採用する面では課題にもなっています。
Q.御社の強みはどのような点ですか?
弊社の強みは、社内に約130名のエンジニアを抱えていること、つまりはマンパワーです。機械設計という業界では、1事業所あたりのエンジニア数が3~4人程度のところが多いんですよ。ですからうちみたいに100人を超えるスペシャリストが揃う会社は、大阪・滋賀・京都でも3社ほどしかありません。大きな装置をつくる時には10名以上のチームを組む必要がありますから、小さな設計会社では対応できないんです。
そうですね、このマンパワーがあるからこそ、大手メーカーさんとも直接取引させていただくことができています。
機械設計エンジニアを目指せる企業は全国に多くありますが、10名以上のエンジニアがチームを組んで挑むような大型案件に携われるチャンスというのは、そう多くはありません。メニックスではそのチャンスが常にあるので、これから新しくチャレンジする方にとっても、既に他社でキャリアを積んでこられた方にとっても、魅力的な環境なのではないでしょうか。
Q.本社は滋賀県ですが、島根に進出したきっかけは?
我々の仕事においては「優秀な設計技術者を確保すること」が最も重要です。優秀な人材を獲得するための地方拠点をどこに設置するか考えたときに、島根大学、米子高専、松江高専、ポリテクセンターなどの教育機関が充実している島根県松江市、という選択になりました。2016年のことです。
滋賀と島根では距離的な問題も少なからずありそうですが、実際はインターネット回線を利用したWeb会議などを行うことで、拠点間のやり取りに不便を感じることはほとんどない、とのこと。
現在、島根事業所には5名のエンジニアが在籍していますが、全員島根県出身者です。中途採用で言えば、松江のポリテクセンター出身者(機械・CADオペレーション科修了生)の割合も高いですね。
ポリテクセンターと言えば、全国にある職業訓練校です。様々な理由で前職を離職した人たちが、ポリテクセンターで機械設計やCAD操作の基礎を学んだことをきっかけに、メニックスへの再就職を志すケースも多いとか。
Q.未経験から始めて一人前になれますか?
はい、入社後はしっかりとした研修カリキュラムが整えられていますので、特に専門的な経験を積んでいなくても、やる気があればどんどんステップアップしていける環境があります。ただ、望まれる基本的な資質として、空間認識能力の高さ、これはこの仕事でかなり重要な能力かもしれません。別に学校で機械工学を学んでいることが必須ではないですが、平面で見たものを頭の中で立体的に組み立てられる能力は必要になってきます。
空間認識能力とは、三次元空間における物体の位置・形状・方向・大きさ・位置関係などを素早く正確に認識する能力のこと。空間認識能力が優れていると、紙に描かれた図形を見て立体物をイメージしたり、地図を見て自分の位置や進むべき方向を正しく理解したりできます。
メニックスで機械設計エンジニアとして活躍するためには、設計図面を見て、頭の中で完成品を立体的に描く能力が求められます。
ここで水上さんから、こんな興味深いお話が聞けました。
弊社が島根に拠点を作った理由の一つに、島根が良い意味で田舎である、という点があります。空間認識能力というのは、実は子どものころの遊び方によって変わる、と言われているんですよ。例えば鬼ごっこなどの外遊びをたくさんした子どもは、空間認識能力が高くなる傾向にあるそうです。だから、どちらかというと田舎で育った方の方が、機械設計に向いているかもしれません。
そのような潜在能力を引き出し、未来の機械設計エンジニアを発掘するための取り組みとして、本社のある滋賀県ではロボット教室も運営されているそうです。
現在60名くらいの生徒さんが受講されています。下は幼稚園から上は高校生まで、機械を動かすためのプログラミングを学んでもらっています。開校のきっかけは、弊社代表の櫻井の「ものづくりに関心を持ってくれる子どもを増やしたい」という地域貢献への想いもありますし、もちろん「将来メニックスのエンジニアを目指してくれたら」という想いもあります。
今は滋賀だけでやっていますが、ゆくゆくは島根でも開校できればいいなと思っています。
Q.入社後の研修体制はどのようになっていますか?
最初の3か月間は滋賀の本社で技術研修を受けていただきます。機械設計の基礎を学ぶ研修です。その後は配属により、島根事業所で、またはそのまま本社で、3か月間のOJT研修に入ります。正式な配属決定が10月となります。
滋賀の本社と島根と2拠点ありますが、勤務地は本人の意向を尊重して決める、とのこと。これは社員を大切にし、働きやすさを重視する会社であればこそ、です。
「弊社は離職率が低い会社です。今年度は4%くらいでした。社長自身が、社員を大切にしよう、ということを常に言っていますね。社員の声を取り入れつつ、2年半の歳月をかけて作り上げた人事評価制度もあり、社員の成果が適正に評価されるようにしています。
有給休暇の取得率も80%以上と高く、希望者はフレックスタイム制も利用できるなど、働きやすい環境が整っています。
基本的に仕事の流れが分かっていれば、休むタイミングを自分で考えて、自由に休暇をとれる風土があります。中には連続休暇を取って海外旅行に行く人もいますし、オンとオフをうまく切り替えて効率よく仕事する、という雰囲気が社内全体にあると思います。
Q.滋賀県の本社と島根事業所との業務の違いは?
本社の方では、5人以上のチームで対応しなければならない大型案件の割合が多いですね。一方、島根では先ほどお話したような新規のお客様からのご依頼に基づく小規模な案件を中心に設計を行っています。
最近は、過去に2次元で作った工場設備一式の設計を3次元で設計し直すようなお仕事も増えてきました。3D CADがますます主流になってきていますからね。
取材時に伺った島根事業所は、5名のエンジニアの方々と、1名の事務職の方で構成されるオフィスです。ここにお勤めのお二人のエンジニアの方にもお話を伺いました。
山本孝さんは、島根事業所のセクションリーダーを務めるベテランエンジニアです。地元松江の高校を卒業後、広島で機械設計の仕事を数年続けられたのち、島根の同業他社へUターン転職。さらにその会社から転職され、3年前メニックスへ入社されたそう。
前の職場は残業がとても多くて、働きにくさを感じていました。そんな時、新聞広告でメニックスの求人を見つけたのが応募のきっかけでした。
前職と比較しても、勤務時間、福利厚生、休日など多くの点で「働きやすさ」を確信したこと、そして何よりも面接官であった北岸さんや採用担当の方の話しやすさと人柄に惹かれ、入社を決めたといいます。
島根に帰ってきて良かったなと思います。のんびり落ち着いて暮らせるし、妻と自分の実家も近いので、子育てでもかなり助けられました。
山本さんは現在管理職として、個々の設計業務の見積作成、進捗管理、お客様との折衝などを中心に行うとのこと。特別な繁忙期を除いては、毎日19時頃には退勤し、自宅で趣味の時間を楽しむそう。
19時に帰るなんて、前の職場では有り得なかったですね。もともと読書が好きなので、仕事帰りに図書館に寄って本を借りたりして、家でゆっくり読む時間が持てることが嬉しいです。
一方、入社2年目の安村早織さんは、転職で機械設計の世界に初めて足を踏み入れ、現在メニックスにて機械設計の特訓中。
前職はパン屋で販売の仕事をしていましたが、体調を崩して離職しました。大学も美術系だったので、私、全然理系ではなくて・・・。でもパソコンで何かを作る仕事がしたいなって、漠然と思っていたんです。そんな時に母から「CADで図面を描く仕事はどう?」と薦められて興味を持ったのがきっかけですかね。
CADの仕事に惹かれた安村さんは、松江市内のポリテクセンターで「機械・CADオペレーション科」を履修。そこで新たな就職先として、メニックスを紹介されます。
全くやったことのない仕事ですし、できるかどうかは分からないけど、まずはやってみようと思って入社を決めました。もうすぐ入社から丸2年が経ちますが、毎日が勉強で、先輩方に教えてもらいながらなんとか仕事している感じです。
随分難しい仕事をされているようですが、そもそも機械設計は、一人前になるまでに最低5年はかかる、という職人の世界。もうすぐ入社3年目を迎える安村さんが苦労されるのも当然かもしれません。
Q.現在のお仕事内容は?
今は3Dでモデルを作る仕事と、それを2Dの図面にする仕事をしています。ただ図面が描ければよいというわけではなく、専門的な知識も必要なので、まだまだ修行中の身です。早く自分だけの力で図面が描けるようになりたいですし、もっと成長して、島根事業所の役に立ちたいです。
いやいや、もう十分役に立ってるじゃない(笑)。
いえ、まだまだです(笑)!
終始、自分はまだ未熟だと語る安村さんですが、実は未経験者がポリテクセンター経由でメニックスに入社しようとすると、結構な倍率であるとか。先ほど水上さんが話されていたような「空間認識能力」の高さも選考基準となるため、CADや機械設計の基礎を学ぶコースの卒業生であっても、入社試験に通過するのは一部の限られた人だけであるといいます。
安村さんはそんな関門を突破された中の一人、ということになります。
Q.仕事のやりがいを感じる瞬間は?
設計エンジニアという立場で言えば、何もないところから自分で新しく創造する仕事なので、壁にぶち当たることもよくあります。そこで悩んで悩んで、ある日ひらめきというか、光が見えた瞬間は、やっぱり楽しいなと感じますね。パズルを解くような感覚というか。そういう感覚を楽しめる人と一緒に働きたいと思っています。
管理職という立場で言えば、新規のお客様に対して提案するときに、お客様のお困りごとや要望は何か、ということをしっかりヒアリングして把握して、それに対する的確な提案内容を考えることにやりがいを感じますね。
お客様自身もどうすればいいのか分からなかったところから、打ち合わせを重ねて徐々に「こうすればいいんじゃないか」というアイデアが具現化していくプロセスが面白いと思います。
Q.これから入社を検討される方へメッセージを
未経験から始めると分からないことも多くて最初は大変だと思いますが、この会社は人柄のいい方ばかりで、分からないことがあっても先輩が丁寧に指導してくださいます。私もまだまだ修行中ですが、自分で図面を描いて、それが形になっていく、とても面白い仕事だと思います。ものづくりに興味がある方は、ぜひ一緒に楽しく働きましょう。
山本さんと安村さん、年齢もエンジニアとしての経験年数もかなり開きがあるお二人ですが、未来の若手エンジニアをみんなで大切に育てようという先輩社員の想いと、その期待に応えようとする若手エンジニアの懸命さが垣間見え、温かい社風を感じずにはいられませんでした。
ものづくりが好きな方、空間認識能力に自信がある方は、ぜひ機械設計エンジニアというプロフェッショナルを目指してみませんか。人手不足に悩む日本の未来を支える省力機械を設計することで社会に大きく貢献でき、確かな知識と技術を身に着けることができるチャンスを、ぜひ手に入れてください。
(2020年1月取材)