社会医療法人 仁寿会の求人情報

地域包括ケアシステム構築の最前線で輝く! 患者さんも、医療スタッフも大切にする温かい職場です。

病院/介護老人保健施設(島根県 邑智郡 川本町)

スタッフ集合写真

邑智郡川本町は、町の面積の8割以上を山林が占める典型的な中山間地域です。人口3,300人ほどのこの町には、近隣に十を超える医療・介護施設/事業所を展開する社会医療法人仁寿会が存在し、少子高齢化が加速するこの地域のヘルスケアサービスの一翼を担っています。

仁寿会外観

特に近年その構築と発展の必要性が叫ばれているのが、地域包括ケアです。仁寿会では「地域の人々を最もよく知り、その善き人生に貢献することを積み重ね、地域社会を変えていく」をスローガンに掲げ、患者さんに対する質の高いサービスはもちろん、そこで働く医療介護従事者のやりがいと働きやすさの向上に積極的に取り組んでいます。

まずは仁寿会グループの理事長であり、加藤病院の病院長でもある加藤節司さんに、仁寿会の理念や今後のビジョンなどについてお話を伺いました。

Q.貴法人の事業内容についてお聞かせください。

加藤さん

一言で言えば、在宅療養の支援です。住み慣れた地域において、医療や介護を受けながらそこに住まうことで、それぞれの方々の生きがいを実現できるようなお手伝いをしています。これが私たちの仕事のすべてと言っていいと思います。

加藤さん

加藤理事長の語る「在宅療養の支援」については、仁寿会や島根県に限ったテーマではなく、間もなく超高齢化社会を確実に迎える日本全体でその必要性が叫ばれているものです。人口減少、高齢化の進展といった課題に対し、厚生労働省が平成17年に提言した「地域包括ケアシステム構築の推進」。仁寿会が地域と一体となって取り組んでいるのが、まさにこの地域包括ケアシステムの構築です。

Q.かなり多くの施設を運営されていますね。

加藤さん

法人には次の5つの部門があります。1.病院 2.老人保健施設 3.診療所 4.在宅療養支援センター 5.住まいの5つです。施設数としては、現在13箇所を運営しております。川本町と大田市でそれぞれ地域の総合ヘルスケアステーションとなることを目指しています。

仁寿会の運営するこれらの施設が、地域住民の皆さんにとって必要不可欠な存在であることは言うまでもありません。施設のある川本町・大田市はいずれも県の中山間地域に指定された地域であり、過疎化、少子高齢化が深刻化しているエリアです。

Q.どのように事業を拡大してこられたのですか?

加藤さん

当法人のルーツは、1932年に私の祖父が創立した病院です。ここまで順風満帆であったわけではありません。開業から60年以上経った1995年に、大きな経営危機を迎えました。川本町の支援を受けて、再建する過程で多くのことを学べたのは幸運でした。医療政策を地域のニーズに応える形で身の丈に合った規模を意識しながら提供することの積み重ねが今に至ったと考えています。私が当時勤めていた広島の病院からこちらへUターンしたのもちょうどその時期でした。

病院存続の危機、という一大事の最中に地元・川本町に帰郷されたという加藤理事長。公的資金投入による経営再建と同時に取り組んだのが、抜本的な病院改革です。

Q.主にどんな改革に取り組まれたのですか?

加藤さん

職員の健康支援と成長支援、そしてつながる支援で快適な職場づくりに取り組みました。職員にとって働きやすく、最高のパフォーマンスを発揮できるような職場環境を、職員自ら作っていける仕掛けですね。これを仁寿会ウェイと呼び、ワークライフインテグレーション、テイクイニシアティブ、トリプルDO(組織風土・クラウド・制度)を大切にしています。

加藤さん
加藤さん

やはりすべてにおいて人材が最も大切です。そのために一番重要なことは、職員の健康です。医療職従事者が学び続け、成長するためにはまず健康でいてもらわなくちゃならない。そう考えました。

加藤理事長が具体的に取り組まれたことは、職員や職員の家族に対する予防接種の無償化や助成、時間外勤務の削減、有給休暇取得の促進、さらには資格取得支援、研修参加支援など。職員を感染症から守ることをはじめとして、「パーソナルライフ」を充実して過ごすことを重視し、支援しました。

Q.いずれも有意義な取り組みですが、医療現場では浸透が難しいと言われていますよね。

加藤さん

そうですね、幸運なことに、仁寿会には「お互いさま」の遺伝子が受け継がれているんです。これは私が病院長を引き継ぐ以前からの良き伝統だと思っています。さらに私が病院長になってから、まずは働く皆さんの健康が第一、と明確に打ち出して、それをずっと言い続けてきた。こうして職員が自分自身の健康を保つことで、成長できる環境が整うんですね。資格取得の支援や、人事制度の整備という形で成長サポートも具体化できました。その結果職員がより良くつながることができ、より質の高いサービスを提供できるようになります。するとそれは患者さんの満足につながり、私たちはより元気になれる。そんな好循環が生まれます。

慢性的な人材不足が深刻化している日本の医療業界ですが、“困った時はお互いさま”の精神を育てることで、休暇取得や時間外勤務削減を法人の風土として定着させることに成功した仁寿会。最近、定年を迎えたある職員の方から、こんな嬉しい言葉が聞けたとか。

加藤さん

40年当院に勤めてくれた女性スタッフでしたが、ここで働いている間、お子さんの幼稚園から高校までのすべての学校行事に参加することができたことを、本当に誇らしく思うと。それこそがこの職場のいいところだと。そう語ってくれて、嬉しかったですね。

加藤理事長がコツコツと取り組まれてきたこれらの改革は、やがて外部的な評価にもつながります。2005年、病院組織全体の運営管理と提供される医療の質について、公益財団法人日本医療機能評価機構による認定を初めて受けました。さらに2009年には、厚生労働大臣による子育てサポート企業の認証である「くるみん」を、2017年には山陰初となる「プラチナくるみん」を認定取得します。

Q.ハードルが高い「プラチナくるみん」取得、しかも労働環境整備が難しいとされる医療業界でそれを達成されるのは素晴らしいことですね。

加藤さん

これは管理職の旗振りでできることではなく、職員一人ひとりの健康や成長への高い関心と実行力で初めて可能になることだと思っています。そして重要なのが多様性を認め合うことです。病院というのはそもそも、女性の力がすごく大きい職場です。多様性や女性活躍の指標として用いられる女性管理職の割合は、当法人で75%です。

75%とは驚異的な数値ですが、気が付いたらそれくらいの割合になっていたという感じで、無理やり女性管理職を増やしたわけではないとのこと。多様性を認め合う中で、それくらい自然と女性が主体の職場になっていたということですね。

Q.今後の課題についてお聞かせください。

加藤さん

関係人口づくりに取り組みたいと考えています。県内だけでなく県外の学生も含めて、地域医療に関心の高い学生を集めた専門職学生連携教育プログラムというものを毎年夏に開催しています。それが彼らにとって川本町の医療に関わるきっかけにもなっていて、実際プログラム参加者の中には当法人に就職してくれた人もいます。

「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉です。縁あって仁寿会の医療に関わる機会を得た学生たちが、この地域や地域の人々との関わりを持つことで、やがて地域医療の新たな担い手となって定住してくれる可能性を創出すること。それが仁寿会の使命であると加藤理事長は語ります。

加藤さん

それから、今は川本町と大田市に当法人の施設がありますが、これらの在宅医療の連携の拠点を、圏域を越えて増やしていきたいという夢があります。そうすることで、住み慣れた地域で生きがいの実現の支援をして差し上げられる対象の方々を増やしていくことができる。その積み重ねで、きっと我々が社会を変えていけると思っています。

ここ川本町から、地域包括ケアの構築を先導している仁寿会。その医療現場の最前線を支えている二人の看護師さんにもお話を伺いました。

地元・川本町出身、奈良県からUターン転職された川西教さんと、隣町大田市出身、大阪府からUターン転職された大勝千鶴さんは、いずれも2019年6月に仁寿会に同期入職された看護師です。

Q.Uターンのきっかけについて教えてください。

川西さん

元々川本町が田舎すぎて外に出たくて、奈良に行ったんですけど。結婚して子どもを産んで、なんとなくUターンを考えるようになっていました。そんなとき母から、川本町に新しく建つ定住促進住宅のことを聞いて。定住促進住宅っていうのは、UIターンの人たちが格安の家賃で住める住宅なんですけど、しかも新築っていうので、ちょうどいいタイミングかなと思いまして。それで帰ってきました。

川西さん
大勝さん

私も川西さんと同じ定住促進住宅に入居しています。私の実家は大田ですが、大阪で結婚して出産して、いつかは島根に帰りたいねっていう話は主人としていて。きっかけは大阪のUIターンフェアですね。そこから本格的に考え始めて、最終的に定住促進住宅への入居が先に決まってしまったので、慌てて自分の転職活動を始めて。看護師だとけっこういっぱいスカウト来るんですが、住む場所から近くて残業が少ないということで、仁寿会に決めました。

大勝さん

Q.実際働いてみて、職場の雰囲気はどうですか?

大勝さん

先輩方が初日から私の名前を覚えようとしてくださったり、とても暖かく迎えていただきました。相談しやすい先輩や上司ばかりで、働きやすいですね。あと患者さんもスタッフもすごく大事にされる病院です。それぞれのスタッフの事情や休みの希望などにも柔軟に対応していただいています。

川西さん

そうそう、めちゃくちゃ患者さんとのコミュニケーションを大事にされているんですよ。症状の話だけじゃなく、他愛のない雑談もたくさんして、交流を深めている感じで。それにスタッフ間のコミュニケーションも円滑なので、以前県外で勤めていた病院に比べると、伝達ミスとかが本当に少ないです。

連携医療の様子

加藤理事長は「連携医療」という言葉を使われていましたが、ひとりの患者さんに関わる医療スタッフは複数名に及ぶため、それぞれのスタッフが的確に情報を共有し、協力し合うことで、より質の高い医療を患者さんに提供できる、ということです。

Q.休暇制度も充実していると聞きましたが、現場での人材不足などの影響はないのですか?

大勝さん

いえ、ある意味常に人手不足ではあります。休暇を取りたくても取れないということがほとんどない代わりに、誰かが休む分、当然他の誰かがその現場をフォローすることになりますから。

川西さん

ただ、困ったときはお互いさまということで、「なんとかなるけぇ」と言って休ませてくださるんですね。以前の職場では、子どもが急に熱出した時とか、「どうしよう、なんとかして出勤しなきゃ」と焦っていましたが、ここでは安心して休ませてもらえています。

お二人ともまだ小さいお子さんを抱えながら、看護師として働く身。まさかの時に快く休みを取らせてもらえること、働くお母さんにとってこれほど有難い環境はありません。

Q.仕事のやりがいを感じる瞬間は?

大勝さん

患者さんやそのご家族の笑顔を見たとき、ですかね。今コロナ禍で面会がなかなかできなくなっているんですけど、先日ご年配の患者さんにスマホでリモート面会をしてもらったんですよ。その方はスマホなんて見たことも触ったこともなかったので、「箱の中で娘がしゃべっとる!」って大騒ぎになって(笑)。やっぱり病気のときに家族と話せるのって、すごいパワーがもらえるんですね。ご家族も親御さんの顔を見て安心されるので、そういう姿を見るととっても嬉しくなります。

大勝さん
川西さん

病院を退院したあとに仁寿会の施設に入所される方も多いんですが、退院後もずっとその患者さんのことを見守っていく体制があるというか。特にここでは、自宅で最期を迎えたい、という患者さんも多いので、それを全力でバックアップしようとするんですね。なかなかそれって難しい場合も多いのですが、最後の1分だけでも家に帰してあげようとする先生たちが多くて。グループ全体にあるそういう雰囲気が、私は好きです。

川西さん

実際、住み慣れた家で家族に囲まれて人生の最期を迎えたい、と考える患者さんは大変多いと聞きます。その実現には、医療を提供する側と、受け入れる家族側との協力体制が不可欠になりますが、できる限り患者さんの望みを叶えようとするのが仁寿会グループ全体に通じる精神です。

Q.仁寿会への就職を検討中の皆さんにメッセージをお願いします。

川西さん

私が看護師として勤務した病院はここが3つ目ですが、以前の職場では考えられないくらい、ストレスなく働かせてもらっています。人間関係もとても良く、陰でお互いの悪口を言い合うような場面もありません。休暇も取りやすくて、子育てとの両立がしやすい環境なので、ずっとここで働き続けたいと思っています。

大勝さん

確かに、人間関係のストレスが全くないのが良いところで、毎日楽しく働かせてもらっています。私たちが子育て中だからということももちろんありますが、ほぼ毎日定時で帰らせてもらえて、しっかり休めてリフレッシュできる環境です。本当に働きやすい職場なので、今職場環境で悩んでいる方はぜひここで一緒に働きましょう。

お二人の看護師さんは終始リラックスした様子で、笑顔でインタビューに答えてくださいました。その姿から、日ごろ多忙を極める医療現場に従事していながらも、ほとんどストレスなく楽しみながら働いているという言葉に嘘がないことがはっきりと伝わってきました。

少子高齢化社会、過疎、医療の担い手不足…立ちはだかる課題も多い中で、その最前線の現場を駆け回る医療スタッフの健康と人生の充実を最優先に考え、サービスを享受する患者さんの幸せに繋げている仁寿会。これからの地域包括ケアシステム構築のモデルケースとして、日本の地域医療を牽引する存在となることでしょう。

医療の専門職に従事する皆さん、ぜひ一度仁寿会の運営する病院、施設に見学に訪れてはいかがでしょうか。ご自身の自己実現と地域貢献、その両方を兼ねえられる環境はここにあるかもしれません。

スタッフ集合写真

(2020年10月取材)

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