アウトドアの朝ごはん
至福のひととき!

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ユネスコ世界ジオパークに登録されている隠岐諸島。
隠岐の島町は有人島4島の中でも一番大きく、
海もあれば山もあり、
牛突きや古典相撲など伝統行事も息づいている。
そこで生まれ育った藤田麻紀子さんの
暮らしを伺ってみた。

知らないことが多かった
ふるさと隠岐の島町。

雲の合間から光が差し込む初冬の日、海辺にテントをたてて焚き火をしているのは隠岐の島町で暮らす藤田麻紀子さん。最近、ソロキャンプをはじめたばかりだ。
「焚火がめっちゃ好きです。だからソロキャンプをするときは秋か冬がいいんです。火を起こして、炎が燃えるのをずっと見ていると、なんだかホッとしてストレス解消になります」と話す。

藤田さんは大学進学時に島を離れ、その後、松江市で10年間サービス業などの仕事に就いていた。隠岐の島町に帰る前の4年間は観光PRの仕事もしていた。
「島根県の観光キャラクター『しまねっこ』と県外へ行って島根のPRやマスコミ訪問などをしていました。一番印象に残ったのが『中国やまなみ街道(松江~尾道線)』ができた時に、カフェ巡りの取材撮影をしたことです。街道沿いのカフェに行き、珈琲とスイーツなどを沢山いただきました」と話す。おいしいものを食べているとほっこりするそうだ。

隠岐の島町に暮らしていたのは高校生まで。しかも島の内陸部に家があるので、他人が思う『隠岐は海!』というイメージとは程遠い生活を送っていた。学生時代は部活ばかり、遊びに行くのも友だちの家。地元・隠岐の島町のことも、よく知らなかった。観光PRの仕事で訪れたときに改めて「自然があってイイところだな~」と感激したという。今ではプチ旅気分でフェリーに乗り、隠岐の島々を巡っている。
「私のお気に入りは「知夫里島」です。島が小さく海が見渡せ、レンタサイクルもなければ観光タクシーもバスもない。のんびりと素朴な旅をしたい人には最高の場所です」と藤田さんは話す。

海も山もアウトドアで
楽しみ尽くす!

隠岐へUターンすると、今まで気づかなかったことが見えてくるようになった。
「時間がゆっくり流れている空気感が好きですね。そう音!車の走る音がしなかったり、鳥の声や風の音しかしなかったり。それは都会じゃ味わえないと思うんです。もちろん、田舎ならではのちょっとな…と思うこともありますよ。例えば、私は知らない人だけど、私の親を知っている年上の人から『藤田さんところの娘さんだよね』とよく言われるんです…。ビックリしますよ!」と話す藤田さん。

その繋がりの濃さが苦手な時もあるが、仲間の間だと心地良さに変わってくる。繋がりの中で休日はアウトドア好きな仲間たちと一緒に遊ぶようになった。夏はシーカヤックやサップ、トレッキング、プチ登山などさまざまなアウトドアをする。もちろん初心者でも大丈夫。倉庫を共有しており、そこにはタープや焚火台などキャンプグッズが勢揃い。道具を持ってなくても気軽に参加できるのだ。登山をして汗をかくと、そのまま水浴びをするように海へ飛び込む。その後にキャンプをして、夜になると夕食を食べながら、満天の星空、海上の漁火を眺めると言う。
「もう、最高ですよ!島根は海や山が近い!とよく言いますが、隠岐はもーーっと近いんです。移動距離が短いので1日で海も山も楽しめるんです」と藤田さん。海も山も近い海洋スポーツセンターでよく仲間たちとデイキャンプをしているそうだ。ここの近くにはカフェがあり、週末になると1人、美味しい珈琲を飲みながら海を眺め、みんなといる時間はもちろん、1人の時間も大事にしている。

幸せを感じることを
貪欲にしかも楽しく!

藤田さんは暮らしの中で「食」に幸せを感じることも多く、毎年カツオを食べに高知へ行っていたほどである。なのでソロキャンプでも「食」を楽しみにしている。まず1人だと自分が好きなものを作って食べられ、自分のためだけの料理とワインでゆっくり過ごせるのだ。そしてさらにキャンプの一押しは朝ごはん。まずもって朝ごはんを外で食べることが非日常なのである。朝の清々しい空気の中、焼きたてのパンをかじり、いれたての珈琲を飲みながら過ごすのは至福のときである。

隠岐の島町へ戻り4年が経った藤田さん。仕事も順調、楽しく遊ぶ仲間も増えてきた。これからは旅行に出かけて、外の空気も吸ってみたいと言う。特に屋久島は一度は行きたい場所であるが、昔と今の思いは違うようだ。
「ずっと行きたいと思ってたんですが、最近少し見方が変わってきました。もちろん世界自然遺産の屋久島はいいと思います。でも隠岐の方が勝っているところもあるんじゃないかと!!これって郷土愛ですかね?(笑)」と話す藤田さん。隠岐の自然を思いっきり体感しているからこそ、観光の仕事やプライベートでも隠岐の魅力を発信しているところだ。

藤田麻紀子さん
藤田麻紀子さん
隠岐の島町出身。高校卒業後島を離れ福岡の大学へ進学。その後松江市で10年間暮らし、隠岐の島へUターン。現在は隠岐観光協会に勤務している。 ※掲載記事は取材時点の情報となります。

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