島根県に移住したあとの住まいのひとつの選択肢として「空き家活用」があります。
空き家をうまく活用することで、庭付き一戸建て住宅をお得に手に入れたり、憧れの古民家暮らしを実現できる可能性も。
島根県内で空き家を上手に活用し、豊かなしまね暮らしを始められた事例をご紹介します。
庭付き&裏山付き!
薪ストーブのある暮らし
20代一戸建て一人暮らし
DIY自由な広々住宅!
古民家をリノベーション!
天井が高く開放的な住まい
川本町の里山で、奥さんと4人のお子さんの6人家族で賑やかに暮らす小溝さん。
里山ならではの広大な土地には、母屋とは別に2階建ての大きな納屋があり、小溝さんの仕事道具や薪ストーブの燃料となる木材なども余裕を持って収納できます。 さらに狩猟免許も保持する小溝さんは、時に捕獲したイノシシを納屋に干すことも。
そして十分な広さの庭の一角には、山で入手した枝や丸太を組み合わせた手作りのドッグランまで完備。2匹の飼い犬たちも伸び伸びと走り回ることができて嬉しそう。
こちらのお宅の一番の特徴は、広々としたリビングダイニングの一角に鎮座する立派な薪ストーブです。 奥さんにとって長年の憧れであったとか。
小溝さん自身が林業従事者ということもあり、比較的簡単に燃料の木材を調達できるのもよいところ。
「薪割りや薪の乾燥作業に手間がかかるのが難点ですが、とにかくあったかい!部屋干しの洗濯物もすぐ乾くし、ストーブでピザを焼いたり、おでんを炊いたり、家族でいろいろ楽しんでいます。冬場は雪深く寒い地域なので、薪ストーブを設置して正解でした。」
東京で「しまねUターンIターンフェア」に参加
林業への転職に興味を持ち、ふるさと島根定住財団主催の移住イベントに参加
邑智森林組合に就職が決まり、川本町への移住を決断
念願の林業への転職が決定、定住促進住宅の入居者募集に応募
定住促進住宅への入居はかなわず、代わりに庭付き・裏山付き空き家と出会う
以前から「裏山付きの一軒家」に住むことが夢だったという小溝さんにとって理想の家を見つける
この家を購入し、改修を実施
奥さんのかねてからの希望であった「薪ストーブのある暮らし」を実現すべく、工務店と打合せを重ねてリフォーム工事を進める
のびのび子育てができるかわもと暮らしスタート
「歌っても騒いでも近所迷惑にならないから安心」
4人の子どもたち+犬たちと豊かで賑やかな生活を満喫
川本町住まいづくり応援事業 住宅購入助成
定住される方が、町内に新築または中古住宅を購入される場合に、建築費や購入費用の一部を助成します。対象世帯の子どもの人数等に応じて加算があります。※当時の支援制度です。最新の情報は川本町移住支援窓口にお問い合わせください。
\ ズバリ!購入&改修にかかった費用は? /
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島根県邑智郡川本町で空き家を購入し、リフォームして家族と暮らす小溝さん。
島根移住の経緯、空き家住宅との出会い、いまの暮らしの率直な感想などを伺いました。
以前は東京都内で自衛隊員として働いていたのですが、私の実家が鳥取県、妻の実家が山口県と、帰省の度に子どもや犬を連れて長距離移動するのもかなり大変でした。「実家に帰省しやすい場所で、自然に囲まれて働きたい…」そう考えるようになり、山口県と鳥取県のちょうど中間あたりに位置する川本町周辺への移住を考え始めたのがきっかけです。
移住後の職業として林業を勧められ、邑智郡森林組合への就職が決まったことで、移住先を川本町に決定しました。その後空き家バンクで2軒ほど物件の紹介を受け、両方下見した結果、現在の住まいを選びました。
子どもたちの通学のためのバス停が近いことや、冬場雪がよく積もる地域なので近くまで除雪車が来てくれることなどの立地条件を重視して選びました。既に私が林業の職に就くことも決まっていたので、妻にも「せっかく薪が手に入りやすい仕事をするのだから、絶対薪ストーブを付けるべき!」と言われまして。なのでリフォームの設計段階から薪ストーブの設置ありきで計画を進めました。
あとは、裏山付きの一軒家に住むのがずっと夢だったので、そのあたりも決め手になりました。将来的にはうちの裏山から薪を自給できるようにしたいですね。
住んだことのない町にいきなり家を購入したので、地域の人たちも「家を買うということは長くこの町に住むだろう」「定住することに本気なのだろう」と思ってくださったようで、私たち家族の移住を快く受け入れてくださったように感じます。近くに家族ぐるみで付き合える友人もできて、とても良くしてもらっています。
デメリットについては、賃貸ではなく購入してしまうと、将来家や土地を手放そうとするときに、買い手を探す苦労などもあるかもしれないですね。
益田市の市街地から車を走らせること15分。国道から少しだけ奥に入った場所に建つ古民家で、一人暮らしをしている星野さん。
築60年以上のこの家は、大家さんのいる借家ではありますが、外壁の塗り替え、壁紙・障子の張替えは自由。星野さんの入居が決まったあと、同じ職場の仲間や地域住民の方々の協力を得てDIYでプチ改修を行い、今のような住まいになりました。
すぐそばの裏山では、春になると木々が花を咲かせ、初夏には紫陽花が咲き乱れ、秋には実がなり、四季折々の風景が目を楽しませてくれます。
部屋の数は5部屋以上あり、一人暮らしには広すぎるので、頻繁に友人を招いたお泊り会も開催しているそう。
DIYを施す以前はかなり住宅が傷んでいて、床が抜けている箇所があったり、壁もボロボロで、とてもそのままでは住める状態ではなかったとか。
しかしほぼ手作りでリフォームを行ったことで、改修にかかった費用は全部で15万以下と格安。さらに家賃は3万円ですが、うち1万円は勤め先から補助が出るので実質2万円。中古のこたつやファンヒーター、掃除機などの家電も無料または格安で譲りうけたりと、周囲の人たちの善意に支えられながら2021年に島根生活をスタート。
建物の古さゆえ窓の開閉がしにくい箇所があったり、どこからともなく侵入してくる虫に悩まされたりもするそうですが、そんな不便も楽しみながら、ゆったりとした島根暮らしを満喫しています。
ユタラボ代表理事 檜垣氏との出会い
大学時代にインターンシップに参加した「NPO法人カタリバ」の活動の縁で、一般社団法人豊かな暮らしラボラトリー(以下、ユタラボ)代表理事の檜垣賢一氏と出会う
ユタラボで働くため、益田へ移住を決意
地域課題、社会課題解決に強い関心を持ち、島根県益田市に拠点を構えるユタラボの存在を知る。前職のIT企業勤務からの転職と移住を決意
檜垣氏のすすめもあり、空き家古民家への入居を決める
ユタラボの職員は基本、空き家の一軒家へ入居し、地域コミュニティに溶け込みながら暮らすことを推奨されるため、例にもれず空き家を紹介してもらい入居
同僚、地域住民の協力を得てDIYでプチリフォーム
星野さんが生活できるよう、壊れていた箇所や古くなっていた箇所を仲間たちがDIYでリフォーム。リフォーム終了後、星野さんが入居して益田での一人暮らしをスタート
ますだ暮らし定着支援事業助成金
安定したますだ暮らしの実現、益田市への定着を図ることを目的として、益田市内の事業所等に就業するUIターン者、新規学卒者に対して助成金を交付します。※当時の支援制度です。最新の情報は益田市移住相談窓口までお問い合わせください。
\ ズバリ!改修にかかった費用は? /
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若い独身女性の一人暮らしにはやや珍しい、一戸建て古民家に住まうという選択。
その選択をした経緯や、実際住んでみて良かった点、困った点など率直な感想を伺いました。
益田での生活をめちゃくちゃ楽しんでいます。東京に住んでいたときは、日当たりの悪い1Kのアパートの家賃が月8万円弱。今は実質2万円ですから、家賃負担は相当下がりました。転職してお給料は下がりましたが、家賃を含めて支出が大幅に減ったので、結果生活に金銭的な苦しさはありません。
都会には娯楽が多いのはよいですが、それを楽しむにもお金がかかるので。その点ここ益田では、公民館で無料でライフジャケットを借りて、高津川をただ流れる、という究極のレジャーがあります。ゼロ円で楽しめる、最高のアクティビティです!
職場の習わしで空き家に住むことだけは決まっていて、代表から「星野さん、海にする?山にする?それとも川?」とだけ聞かれたんです。強いて言えば川かなと思い、そう答えたら、「じゃあこの家だね!」って勝手に決まりました(笑)。最初に見たときは開口一番に「広っ!」と叫びました。なんだか自宅というより、おばあちゃんの家に遊びに来たみたいな雰囲気で。夏はエアコンが要らないくらい涼しいですし、部屋がたくさんあって友人もしょっちゅう泊まりに来れるので、この家での暮らしを気に入っています。
ふすまはまだ入居前からそのまま直していないので、結構古くて剥がれていたり破れていたり、老朽化が目立つのが気になります。最近おしゃれなふすま紙が市販されているので、そろそろ張り替えようかなって考えているところです。例えば白やベージュじゃなくて、紺色のふすまとかも売られているんですよ。大家さんからDIYは好きにやっていいと言われているので、次のDIY計画を考えるのもワクワクして楽しいです。
雲南市大東町で築70年の空き家の古民家を改修し、家族3人でゆったりと暮らす小俣さん。
室内には木のぬくもりが全面に感じられる開放的な空間が広がっており、吹き抜けの天井には古民家らしい立派な梁が見られます。
冬になると雪が積もりやすい地域ですが、リビングの中央に設置された薪ストーブと、断熱性の高いサッシのおかげで、真冬でも室内はぽかぽか。
間仕切りなくつながったリビングダイニングは広々としていて、その一角にあるプレイングスペースでは3歳になるお子さんがおもちゃで遊ぶ姿があり、その様子を優しく見守りながら台所に立つ奥さんの姿も。
「空き家を何件か見て回ったんですが、この家のちょうどいいサイズ感と、周辺のこの景色の良さが気に入って」と小俣さん。
市街地から車を5分ほど走らせて辿り着く閑静な立地で、リビングの窓からは田園風景と、その向こうに見える緑の山々の景色が心を落ち着かせてくれます。
ほぼ終日自宅でリモートワークに勤しむ奥さんの仕事部屋の窓からは、この素晴らしい景観がいつでも楽しめます。
さらに家の裏には広大な畑付き。今はまだ自ら耕す余裕はありませんが、将来的にはあんなことも、こんなことも…と夢が膨らみます。
友人の誘いで雲南市へ、そこで運命の出会いが
東京で弁護士の仕事をしつつも、どこかしっくりこない日々を過ごす。
「地域課題を解決する仕事に携わりたい」そう思い立ち、友人の誘いで島根県雲南市を訪問。NPO法人おっちラボ創始者に出会う
雲南市へ移住を決意、おっちラボにJOIN
おっちラボへの加入を決意し、単身雲南市へ。起業家の支援を通じたまちづくりを行うなど精力的に活動、やがて代表理事に就任。私生活では結婚し、長男の誕生を機に空き家購入を検討し始める
空き家バンクで見つけた庭・畑・山付き物件を購入
住宅+敷地だけを購入するより、周辺の土地も込みで購入した方が割安だったため、畑+山も合わせて購入。理想の住まいにすべく、フルリノベーションスタート
古民家の趣きを活かしたモダンな住まいにリノベーション
古民家改修を専門とする住宅デザインオフィスに依頼し、天井をぶち抜いた開放的な住居へと大幅改修。家族3人でのびのびと暮らせる理想の住まいをゲット
雲南市 空き家改修補助金
雲南市への移住を目的に空き家を改修される場合に、改修に要する費用の一部を助成する制度。山間部を中心に増加する空き家を有効活用し、雲南市への定住を促進します。※当時の支援制度です。最新の情報は雲南市移住相談窓口までお問い合わせください。
\ ズバリ!改修にかかった費用は? /
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日本家屋の丈夫な骨組みを活かし、古民家の味わいを残しながら空間を広く使った大胆なリノベーションを実施した小俣邸。
家族と快適に過ごすための工夫が随所に施されたこだわりの住まいについてお話を伺いました。
家族で過ごすLDKの空間を広く使いたかったので、天井を吹き抜けにしたり、2階の廊下をスケルトンにしたりしました。また、家の周辺の景観を気に入っているので、できるだけ窓を大きくして、リビングやワーキングスペースの窓から外の景色が眺められるような造りにしています。ただ、島根の山間部の冬は寒いことを覚悟していたので、薪ストーブを設置し、窓ガラスは3重サッシにして断熱性を高めました。実際、冬はよく雪が積もるので、3重にして正解だったと思います。
はい、3人家族で暮らすには部屋数にもゆとりがあったので、友人が来たら気軽に泊まってもらえるよう、ゲストルームを作りました。独立したシャワールームとトイレも完備しています。将来的には民泊のような形でこの部屋を開放するのもありかなと考えているところです。また、キッチンも友人を招いて皆でワイワイ料理を作れたらいいなと思い、アイランド型にしました。
この家のデザイナーさんからは「この構造ならあと100年はもつ」と言っていただいていて、ここまで立派な柱や梁のある家に住めることは幸せだと思います。この地域に長く存在していて、家が地域に溶け込んでいるのも良い点ですね。デメリットというか苦労した点としては、やはり構造そのものは動かせないので、設計に一定の制限があったことですかね。そのため自由度はやや劣るものの、今の構造をどうしたら活かせるかを考えるプロセスは楽しい時間でもありました。
庭付き&裏山付き!
薪ストーブのある暮らし
20代一戸建て一人暮らしDIY
自由な広々住宅!
古民家をリノベーション!
天井が高く開放的な住まい