INTERVIEW大阪事務所 移住支援コーディネーター行平 敬子ゆきひらけいこ

相談内容が定まっていなくても大丈夫。話しながら一緒に道を探していきましょう!

島根県大阪事務所で移住支援コーディネーターとして活躍する行平敬子さんは、島根県松江市出身。産業カウンセラーやキャリアコンサルタントの資格を有し、電話カウンセリングなどの相談業務を経て、現在の職に就きました。もともと島根県出身者である行平さんが、大阪とふるさと島根との架け橋となるような移住支援コーディネーターを志したきっかけや、島根県の魅力などについてお話を伺いました。

移住支援コーディネーターになったきっかけを教えてください

私はもともと松江市の出身ですが、社会人になってから関西で暮らしていた期間が長いんですよ。
以前は、産業カウンセラーとして就労支援や働く人の電話相談の仕事を経験しました。他にも、女性や子どもを支援する活動などに長く携わってきましたが、より相談分野の領域を広げたいという想いが強くなり、仕事を探していたところ、この仕事に出会いました。
また、当時は実家の母が介護施設に入所しており、頻繁に島根へ行き来していました。そんな時期に、島根県大阪事務所の移住支援コーディネーターの求人を目にして、いざなわれるように応募しました。
母はその後約1年で他界しましたが、これも何かのご縁だったのかもしれません。この仕事を始めてから、現在4年目になります。
以前の電話相談の仕事では、生きることに深く思い悩んでいらっしゃる方からの相談も多かったのですが、この仕事を始めてからは、自分の人生をこれから変えていこう、新たなチャレンジに向かっていこうという方々の相談も多く、私の方が相談者の方に元気をもらうこともあります。

どのような相談が多いですか?

最も多いのは、島根県移住後の仕事に関するご相談です。
これまでの職歴を活かして転職したい、という方もいらっしゃいますし、移住を機に全く新しい職種にチャレンジしたい、という方もいらっしゃいます。
特にここ大阪窓口では、「都会生活では経験できない、農林漁業に挑戦してみたい」というご相談も多いです。

「UIターンしまね産業体験」を活用した体験移住

ふるさと島根定住財団が実施している「UIターンしまね産業体験」という制度があります。これは県外から島根への移住者が、未経験から農林漁業や伝統工芸、または介護分野の仕事にチャレンジする場合、必要な滞在費の一部を助成する制度のことです。実際にその道のプロの下で修業をさせてもらいながら、生活に必要な費用が一部助成される、というとても魅力的な制度なんですよ。

「UIターンしまね産業体験」Webサイト

いきなり未経験の仕事に飛び込んで生計を立てる、というのはとても勇気の要ることですが、このような助成があることで、チャレンジしやすくなります。島根県としても、過疎化が進んで第1次産業(農業・林業・漁業)や伝統工芸の後継者問題が深刻化するなか、UIターンでこれらの仕事に従事する方が増えることが期待されています。

制度の利用に年齢制限はありません。特に地域を限定せず、田舎暮らしを検討されている方の中にも、この産業体験の制度が決め手となって島根を選ばれる方もいらっしゃいます。

製造業・IT企業などへのキャリア転職相談もOK

もちろん、民間企業への転職相談も多く寄せられます。例えば、大阪の町工場にお勤めの方が、島根県内の製造業の会社への転職を希望されるケースですとか、ITエンジニアの方が島根県内のIT企業の求人を探されるケースもあります。

「ふるさと島根定住財団」の移住情報ポータルサイト「くらしまねっと」から「しまね登録」に登録していただくと、「無料職業紹介」が利用でき、財団のスタッフが企業との仲介をしてくれます。

IT企業の求人については、「IT WORKS@島根」というIT専門のUIターン転職支援サービスがありますので、そちらをご紹介しています。

島根のIT企業への転職に特化した「IT WORKS@島根」Webサイト

相談者層のボリュームゾーンは「子育て世代」

相談者の中で最も割合が高いのは、子育て世代となる30~40代の相談者で、全体の約7割を占めます。続いて50~60代の方となります。学生の方には専任の学生就職アドバイザーが就活等のご相談を伺っております。

UIターンの割合でいえば、UターンよりⅠターンの相談件数の方がやや多いですね。 Iターン希望者の中には、「都会暮らしに疲れた、田舎暮らしがしたい」というご相談も比較的多いように感じます。

島根県の充実した支援制度

県外移住には何かと費用がかかりますので、移住支援制度の情報を求める方も多いです。その点島根県は、UIターン支援の歴史も長く、充実した移住支援制度があります。

先ほど紹介した産業体験もそのひとつです。そのほか、しまね移住情報ポータルサイト「くらしまねっと」への登録は必ずご案内しています。「しまね登録」に登録していただくことで、島根への移住に関する最新情報がLINEやメールで受け取れたり、就職活動のため島根を往復する際の交通費の助成や、引っ越し費用の助成、県内の協賛店で様々な特典が受けられる「UIターン応援カード」が使えるなどの特典があります。

各市町村でも独自の制度をもっています。市町村によっては、オーダーメイドで「移住体験プログラム」を実施しているところや、「お試し暮らし体験施設」という空き家を利用した短期間しまね暮らしを体験できる施設を持っているところがあります。島根をよくご存じない関西の方々には、地域での暮らしぶりや人々との関わりを体験して、しまね暮らしのイメージをつかむのに是非ご利用いただきたいですね。

しまね移住情報ポータルサイト「くらしまねっと」

オンライン相談も充実

ふるさと島根定住財団や市町村のオンライン相談も充実してきました。
コロナ禍でなかなか直接島根まで足を運ぶことが難しくなっていますが、オンライン相談であれば、担当者の顔を見ながら話が聞けるので安心ですよね。それに担当者の方が島根の方言で話されると、人柄といいますか、穏やかで柔らかい県民性みたいなところまで伝わるように思え、多くの方に利用していただきたいと思っています。ご自宅にネット環境のない方には、大阪事務所からオンラインをご利用いただけるようにしています。

住まいは「古民家暮らし」に憧れる方が多い傾向も

移住後の住まいについての相談も多いです。
やはり都会暮らしの方は「静かな田舎の古民家でのんびり暮らしたい」という理想を持たれる方が多いようで、そのようなご相談の割合も比較的多いと感じます。
島根県内には空き家バンクに登録された古民家物件が多数あります。中にはそのままでは住めない物件もあり、まずは住めるように手を入れたり、リノベーションしたりということが必要な場合もあります。
空き家バンク制度は各市町村が窓口になりますので、そちらをご紹介しています。

様々な相談に対して、自分なりに工夫している点は?

移住に対する想いの温度感は人によってかなり差がありますが、皆さん色々と悩みながら、迷いながら相談に来られることも多いです。はっきり自分はこうしたい!と決めてこられるよりも、なぜ移住したいのか、移住したあとどうしたいのか、自分でも心の整理がつかないままとりあえず来ました、という方も多いですね。

そんな相談者の方に対しては、とにかくじっくりお話を伺うことを心がけています。しっかり聞くことで、その方の心の中にある本当の想いがだんだんと見えてきたり、話しながらご本人も自分の本心に初めて気付けたり、ということもよくあります。カウンセリングの勉強で学んだ傾聴が、ここで役に立っていると感じています。

実際に島根に移住した方の中で、印象に残っている方の支援エピソードをお聞かせください

60代の女性相談者の方が、全く地縁のない島根への移住を決断されたことが印象的でした。
大阪の移住イベントに来場され、ご相談を受けたのですが、仕事でも生き方でも一生チャレンジし続けたい!という考えをお持ちの方でした。
島根との繋がりは、数回観光で訪れた程度でしたが、移住に対するパワフルな想いと行動力に圧倒されましたね。
それこそ、そのあとコロナ禍に突入してしまい、様々な障壁もあったのですが、諦めることなく時期を待って行動されました。

私は何度かお話を伺い、定住財団にお繋ぎするまでの役割でしたが、後に定住財団の担当者から「島根へ移住して就職されましたよ」と報告を受けたときには、驚きと共にとても嬉しかったのを覚えています。
60歳を過ぎると就ける仕事も限られえきますし、知らない土地に住むこと自体大変なことです。いくつになっても、目標をもって進んでいかれるこの方の生き方に感銘を受けました。

【土曜相談会場】テラプロジェクト「まちラボ」Dルーム

行平さんにとっての島根県の魅力や島根のお気に入りとは

松江の街を歩くたびに感じるのは、時間がゆっくり流れていることです。関西暮らしが長いからこそ余計に感じるのかもしれませんが、人々が穏やかでのんびりと自分のペースで暮らしているように思われます。大阪はやはり多様な人々や情報にあふれていて、日々忙しく、スピード感のある街です。それを楽しめる人とっては素敵な街ですが、それについていけずに心が疲れてしまっている人も多いように感じます。

移住相談に来られる方々の中にも「都会暮らしに疲れました」という方がおられます。島根に帰省する度に、町の時間の流れを心地よく感じ、そういった相談者の方の気持ちが少し分かるようになりました。

私の島根のお気に入りは、まず一つ目は「宍道湖の夕日」。

二つ目は「松江駅のホームから見える大山」です。お天気のいい日であれば、松江駅のホームから遠くに大山が見えるんですよ。結構知らない方も多いのですが、これも本当に良い眺めなのでおすすめです。

三つ目は「釜揚げそば」です。出雲そばでは、割子そばや釜揚げそばが有名ですが、実は松江に住んでいたときには、釜揚げそばを食べたことがありませんでした。大阪事務所にもゆかりのある大阪市内の出雲そば店で初めていただいたのですが、島根出身のご主人が作られる釜揚げそばがめちゃくちゃ美味しくて、それ以来ファンになりました。

最後に、島根移住を検討中の方に向けてメッセージをお願いします

島根へのUターンを希望される方はもちろん、島根のことをよくご存じない方、移住に向けて何から手を付ければいいのか分からない方も、お気軽にご相談ください。

具体的に決まっていなくても歓迎です。会話していく中で、自分が本当にやりたいことや、次に取るべき行動がみえてくることも多いです。

事務所は平日昼間のみ営業していますが、月に一度梅田の会場で土曜相談会も開催しています。お仕事などでなかなか時間の都合が合わない方も、可能な限り日時を調整して、オンラインや電話でお話しさせていただきますので、まずは一度お電話でご相談ください。

皆さまのご来所を心よりお待ちしております。

(2022年1月取材)

大阪窓口でお待ちしております

気軽に相談してニャ!

大阪事務所
移住企画プランナー河野 良太

「親切さの偏差値」が高い島根の人々は魅力的。「島根との関わりしろ」を一緒に見つけるお手伝いをさせてください!

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